legno-Diario-自閉症児は不思議生命体-

~自閉症のすーさん(小学1年生)といい婆さんのなんでもかんでも~

【一日早い卒園式】

2008-03-31 23:55:48 | 保育園

卒園式の模様もアップしないまま、


とうとう、保育園最後の日が来てしまった。


明日は通常の火曜日であるが、すーさんはもう保育園には行かない





卒園式から2日間はいつもと変わらない土日だった。

3日後の月曜日のお迎えの時、


あんみつ先生から一本のカセットテープを手渡された。


あいにくと我が家にはラジカセカセットデッキもない。







困った。






それに、3月に入ってから卒園式までは

なるべく保育園を早退するスケジュールを入れないようにしていたため

連日、予定が折り重なるように詰まっていた。



そして、卒園式から一週間経ってラジカセを園友から借りて、



やっとテープを聴くことができた。



ラジカセからは、卒園式前日のすーさんの声が聴こえてきた。


フラッシュ「一日早い卒園式」へGo!


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28日金曜日、卒園式のDVDと園友の母が作った謝恩会用のスライドショー


婆さんが作った「連絡帳、最後のページ」と、この「1日早い卒園式」を収録した


2枚組のDVDをあんみつ先生とスナップ先生と園長先生

お世話になった他園に異動になった先生方、


引っ越してしまった3人も含めたクラスメートに届けたり発送の準備をした。



しかし、園長先生とスナップ先生は4月1日の異動先へ行かれてお留守だった。



その夜、希望していたすーさんの就学先が決定したと連絡が入った。


ここまで待った吉報なのに心はまだ躍らない







すーさんの歌声あんみつ先生の控えめな声を聞いた晩から、



「連絡帳、最後のページ」「1日早い卒園式」



トレーナーの袖に涙汁と鼻汁の染みを作りながら制作に没頭した。







5年2ヶ月の保育園での時間は・・・





戻したいのに戻らない時間は・・・やはり長い





お世話になったことも多すぎる





「ありがとう」を積み上げても頂上は雲の上。





睡眠不足の日を重ねても作業に入ると眠くない





何度見直しても見たりないし、





もう1人の婆さんがダメじゃ!・・ピシャリと背中を叩く。





見るたびに涙が溢れ出て顔面ワダチができた。





心筋梗塞で急死してしまいそうに胸が痛い





まるで大失恋したみたいだ。





こんなに苦しい思いをしてまで、



なんで小学校なんて行かなきゃならんのじゃ





今、苦しいのは、



今までが、幸せだった証しだと・・わかってはいるが。







七味唐辛子のビンを力いっぱい何度振っても

山椒の粒が出口の穴を塞いで出てこなくて、


そのうち、ビンを振る手が疲れて



「もう、なくてもいいか」とあきらめかけた時、


ドっバー ー ー 






おいしそうなウドンの丼一面に・・・くまなく七味・・















そんな失敗だけは絶対にしたくなかった。












保育園最後の日の今日のために



腫れて3ミリしか開かない重たい瞼にペテンをかけながら完成させた。







やっぱり作ってよかった。



結局、先生にはこれっポッチしか伝えられなかった。





今なら激辛七味うどんだってなんだって食べてやる。





勿体ないだろ!





その位、淋しくてたまらない。





明日も連絡帳を長々書いてしまいそうな勢いだ。







だけど、すーさんはとても調子がいい



今日のお別れ会で「さようなら」という場面で泣いたらしいが、





額に「無理」と書いて迎えに行った爺婆とは対照的に









ウサギのようにピョンピョン跳ねて教室から出てきた。









明日は保育園に行かないすーさんと一緒に



小学校用の黄色い帽子体操着でも買いにいくかな。









どうすっかな?







【追伸】



コメントを頂戴しておる皆様にはお返事もせずに申し訳ないと思っております。



許して下さい。



もう少し・・もう少しだけ経てば、



きっと婆さんにも大好きな葉桜を見上げる元気が出てくると思います。







卒園式-直前の5分間

2008-03-15 04:17:20 | すーさん

卒園式3日前、卒園式の卒園式のリハーサルが行われた。



今まで親の耳には「マズイ!情報」は届いていなかった。



マズイどころか、あんみつ先生はすーさんのために



オリジナル目印を作成して下さった。









あんみつ先生作の運動会の組体操の絵カードも



ひっくり返って感動したが、







卒園式用の目印にも嬉しくて宇宙遊泳しちまった。







すーさんが永久に愛し続けるだろうノンタン音符♪の目印。





卒園式当日3週間前から涙腺がゆるみすぎてリンパ腺と化した。







しかし、



卒園式のリハーサルの直前はノリノリだったすーさんが、



証書の授与が始まると「号泣」したらしい。



式進行で少し離れていたスナップ先生は



「誰?泣いてるのは??」と見渡すと



すーさんが泣いていた。



すーさんのそばにいてくれたあんみつ先生も「どうして?」



涙のワケが見当たらない。



先生方曰く、



「いつもの泣き方と全然ちがうんです」





先生方に慰められ、すーさん自らも



「もう、泣かない。泣いちゃダメ。もう、大丈夫」



と、言い聞かせて号泣の世界から脱出しようと努力をしていたらしい。





そして、すーさんの授与の順番になった時には泣きやんでいたそうだ。





だから、いつもの教室が突如「式典会場」になってることを



ちゃんとすーさんに伝えるため、



そこですーさんの好きな「音楽」が、



みんなと練習してきた歌が聞こえてくるんだよと伝えるため、





「5分だけ早く登園してきて欲しい」





前日、有難いリクエストがあんみつ先生からあった。



無論、爺婆には嬉しいリクエストであった。





5分のあんみつ先生とスナップ先生とすーさんの時間を



爺婆はそっと見ていただけだった。









きっちり5分後、3人はクラスメートと保護者の待つ控え室へ移動した。



控え室は賑わっていた。



その控え室の片隅であんみつ先生が膝を折り、



すーさんに向き合い何か話をしていた。









内容は・・・わからない。



すーさんとあんみつ先生の大切な時間なのだから・・。





すーさんの障害診断の際に同席して下さったチュー先生



1歳と2歳児の時の担任で、



その後もずっと別の教室からすーさんを見守ってくれた



キリン先生も・・・エプロンなしの正装で控え室に来てくれた。





「おめでとうございます。」







溢れこぼれそうな液体を



得意技である多弁で阻止するのに精一杯の婆さんだった。









【追伸】



こうして、改めて卒園式のその日を追ってみて、



やっと・・・気がつきました。





すーさん用の目印が極自然に花道の飾り付けになっていたのも



去年と大幅に式典の中での動きが変わり、



親と手を繋いで花道を歩き証書を受け取りに行くことになったのも



花道を挟んですーさんの正面方向に婆さんが座るようになったのも







全部・・・





決して、すーさんが1人が「特別」ではないことが、



すーさんが卒園児の1人であることが、



「保育園職員全員ですーさんを見ていきます」とおっしゃったことが、



卒園式の構成の基礎になっていたことに気がつきました。







去年と式典の構成の大幅な変更があったことをハッキリ知ることになったのは



婆さんが卒園式のDVDの担当者で、



去年と同じ業者さんに依頼したこと、



そして、



年子のお母さんで去年も卒園児の母の何気ない言葉からだった。







園長先生、スナップ先生、あんみつ先生、



他の全部の先生方・・・本当にお世話になりました。





卒園式-旅立ちの朝

2008-03-14 03:47:52 | すーさん
2008年3月14日金曜日


すーさんは、5年2ヶ月お世話になった保育園の卒園式の日を迎えた。


卒園式の朝、すーさんは初めて友達と保育園に向かった。


それも「すーさんが好き」と言ってくれるクラスメート。



その名はKゴン







去年の11月の婆さんがビビっていた就学時健診で


すーさんを「全力でお守り隊」の隊長を名乗り出てくれたKゴン


保育園の誕生日会で「好きな子は誰ですか?」の質問に


小さな胸を張って「すーさん!」と答えてくれたKゴン。


市からもらったノートに他のクラスメートと同じように


色々なことをうまく書けないないすーさんのために


アンパンマンの様々なキャラを描いて貼り付けてくれたKゴン


すーさんに料理素材のおもちゃを使って愛情たっぷりご馳走してくれたKゴン





「おい、Kゴン、卒園式の日、すーさんと一緒に保育園に行こうか?」



そう、粋な提案してくれたKゴン母。



「うん!!」  そう、快諾してくれたKゴン





クラスメートに上手く言葉のコミュニケーションができない娘とじゃ



きっと、つまらないだろうと・・婆さんは、



入園後、たった一度もクラスメートに



「うちに遊びにおいでよ」とは言えずにいた。





卒園式はどの園児にとっても、



保護者にとっても大事な記念すべき日に



貴重な時間をすーさんと共有してくれると言ってもらえたのである。



それだけで・・・記念日





さっきまで雨が降っていたのに、



雨なら車で登園するしかないなぁと思っていたのに、



登園するその時間だけ雨が止んだ





だから、



Kゴンとすーさんは当たり前のように



手を繋いで保育園までゆっくり歩いた。





Kゴン母と婆さんはいつものように大荷物を持って



デッカイ声で話しながら二人の後を歩いた。





爺さんは少し離れて歩いていた・・のだと思う。





保育園に到着するとどうしても記念に残したかったスナップ撮影。













Kゴンは、もの凄く照れた。



その様子がまた愛しい。





だけど、2ショット目はしっかり手を繋いでくれた。













Kゴン、ほんと、ありがとうね









入学式は違う小学校だけど、



今日は卒園式だから・・・一緒だよ