美しい日本語の表現*わりない

2022-02-07 | 言葉遣い
『わりなき恋』

女優の岸惠子さんが著したこの本を読んだのは、もう十年ほど前のことです。

還暦を前にした妻帯者と恋に落ちる、ひと回りほど年上の女性の物語。

「わりなき」とは・・・

秘密の恋からイメージする「割に合わない」「割り切れない」という意味かと思いきや、

「わり」は「割」ではなく、「理(ことわり)」という字で表すと知りました。

「理屈ではない」「どうしようもない」そんな恋心でしょうか。


 「わりない」という言葉に再会したのは、昨秋「日本語検定」を学んだときです。

そこは「教科書」ですから、生々しい表現は抑えて「男女が仲睦まじいさま」と説明され、

類義語として「比翼連理」と書き添えてありました。

「比翼(の鳥)」は雌雄それぞれ目と羽がひとつずつある空想の鳥で、常に一体となって飛び、

「連理(の枝)」とは、根元は別々の樹と樹が、やがて枝や幹が絡み合って一体化したもの。




 
 何十年も生きてきましたが、私の「日本語の辞書」はまだまだ薄いと感じることが多々あります。

ひと通りの言い方しか知らないために、あけすけな物言いになることは避けたい年齢ですし、

表現が豊かになれば、聞き手や場面に合わせた言い回しがエレガントに映るかも知れません。

「大和言葉」同様、「美しい日本語の表現」も、よろしくお付き合いくださいませ。


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2 コメント

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私も読みましたよ (hirorin)
2022-02-08 11:13:45
岸恵子さんのちょっとドキドキしながら読みましたが、あまりにも夢の世界過ぎて!ハイソだからこそって感じ。
(最近、松井久子「疼く人」を読んだのですが、これはいかにも今って感じだし、表現が生々しくて汚かったので、私はNG)

「わりない」の意味は知ってたんですが、漢字は知りませんでした。
なるほどって感じです。「比翼連理」はバラバラで知ってました。
「連理の枝」とか「比翼仕立て」で。
一つの言葉だったんですね。

知らない言葉や言い回し、使い方がたくさんですよね。完全制覇は難しいですが、少しでも覚えておきたいです。(先日、一緒に仕事をした50歳女子が‘手指消毒‘を‘てゆびしょうどく‘と言ってたのにドン引きしました。)←あまりの堂々さに自分が間違っていたのかと心配になりました。
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hirorin さんへ (Juliet)
2022-02-08 20:33:03
hirorin さん、こんばんは

>あまりにも夢の世界過ぎて!ハイソだからこそって感じ。

出逢いがパリ行きのファーストクラスだなんて夢物語ですよね。
小説ではあるものの、主人公は岸惠子さんご自身と重ねて読み進めました

>「連理の枝」とか「比翼仕立て」で。

「連理の枝」という韓国映画が公開されたとき、てっきり樹木のお話だと思った、情緒も何も無い私

>知らない言葉や言い回し、使い方がたくさんですよね。

逆に、相手から手加減せずに使われたら嬉しいと思いません?
私にならこんな言葉づかいも通じると思われたようで。

>‘手指消毒‘を‘てゆびしょうどく‘

で中年の女性から「がいかはどこ?」と尋ねられ「眼科でしょうか?」と聞き返したところ、
「ううん、『外の科』と書いてがいか」と言われたときの、清々しいほど堂々とした様を思い出しました。

誰も注意してくれない年頃になると、自分で気をつけないといけませんね。
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