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『沈まぬ太陽』

2009-11-23 23:40:53 | film
原作が映画化された作品を今まで沢山観たけど、先に原作を読んでから観れた映画はほとんどなくて、たぶん『ダヴィンチ・コード』くらいだと思う。読書は好きだけど、もっぱらエッセイものだったり、情報系が多くて、現代小説ならまだ大丈夫だけど、登場人物が沢山出てくるサスペンスものとか、人間関係が複雑に絡みあったようなストーリー展開の小説は読むのがちょっと苦手。読むの遅いし。で、映画を観る前に読みたいと思いつつも結局間に合わなくて、読まずに観ちゃう。でも、映画を観てから原作を読んでも面白いときもあるんだけどな。ちょっと難しい題材の場合なんかは、観たあとに原作を読むと、答え合わせみたいな感じで、再確認しながらもう一度楽しめちゃうみたいな。でも実際どうなんだろ。

で、今回の『沈まぬ太陽』はいつもどおり原作を読まずに観たけど、たぶんそのほうがすんなり理解できて、私にはよかったと思う。出演者も豪華キャストで、題材も見ごたえのあるもので、邦画としては珍しく間に10分の休憩が入る約3時間の超大作。ひとつの事故、ひとつの組織、ひとりの人間の背景にはいろんなストーリーがあって、それが複雑に絡み合っていろんな状況を創り出す。自分が正しいと思うことを信じて、苦悩と葛藤の中でもがきながらも、勇気を持ってそれに向かって行動する。そして一番忘れてはいけないのは、どんな状況にあろうとも希望だけは捨ててはいけないんだってことが分かったような気がする。

とにかく主人公の渡辺謙が私から見て辛い目に遭うたびに、目頭がぐっと熱くなって涙が出てしまった。せつなくて、どうしようもなくて、ただじっと耐えるしかない状況なのに、とにかく前だけをじっと見て歩いていく姿がとても印象的だった。感動したっ!役者ってすごいね。