11/10 Tue. [ クラちゃんの起床時刻 7:05 AM ]
◇ 重犯指名手配者逮捕!の報道が、列島を駆け巡りました。
2007年に、外国人留学生の女性の遺体を遺棄した容疑者が、整形手術を重ね、まさに「顔を変えて」逃亡生活を送り、あげく、その〝究極の変装〟とも言える整形が衆目を集めることとなり、10日午後8時17分、沖縄行きを待つフェリー港の待合室で身柄を拘束されました。
なり振りかまわず逃走し、整形してまで罪を免れようとした犯人の行動は、到底許されるものではありません。
今回の一連の逃亡劇は、まるでミステリー小説を地でいくような顛末であり、今後の取り調べにより、裸足のまま逃げ出した男が、どうやって2年半もの間、逃げおおせることができたのかが追求され、やがて明らかになるところですが、今回の事件で私たちの心を引いたのは、他でもない被害者女性の父親の「真摯な訴え」ではないかと思います。
実娘の命が、遠く日本の地で失われた悲しみを胸に抱きつつも、犯人逮捕を信じて幾度も来日、自らモンタージュ写真を配るなどして娘の無念を晴らすべく必死で活動されました。
その真摯な姿が、初動でつまずいた警察の奮起を促すと共に、私たち市民心理においても事件が風化せず意識の隅に置かれ、ひいては整形という〝あざとい手段〟を選んだ犯人を糾弾する意識が一気に醸成され、最後はフェリー会社同士の連携通報、いわゆる「市民からの通報」により逮捕につながったものと思います。
その一方で、加害者側の両親も、逮捕後にインタビューに応じ、努めて冷静に受け答えをしていたものでした。
その姿勢には賛否が分かれるところですが、いずれにしても被害者・加害者の親族ともに不幸を背負うことになってしまっていることは事実です。
犯罪を犯したのはたった一人なのですが、その一人のために周囲には多くの〝負のエネルギー〟が拡散することになります。で、やっかいなのは概して当の本人が、そのことをどれほど分かっているか(または分かっていてもそれを認めるか)ということですが、私は「分っていない(分ろうとしない)」と思います。
また(最近やたら重犯が紙面を賑わせていますが)犯罪者は「自分さえ良ければ辺りはどうなっても構わない」という〝身勝手心理〟の下で凶行に走り、善良な市民生活を脅かしてしまいます。
今回は、希(まれ)に見る重大犯罪だったので、ことさらクローズアップされましたが、私たちの日常生活においても〝身勝手心理〟による、他者への〝負のエネルギーの拡散〟という現象が間々見られます。
すなわち「まず自分」・・・自分がいかに優位になるように行動するか、自分にとってメリットのあることが最優先で、自分のためにならないことはできるだけ排除しよう、というような心理で社会生活を送ることは、周囲に〝負のエネルギー〟を拡散することになり、そんなことばかりを考えていたのでは、良好な団体生活・社会生活は成り立たなくなってしまうでしょう。
自分の願望や立場はどうあれ、団体や社会で生きていく以上は、周囲との良好な関係を優先し、まず他者を思いやることを行動の基準にすることが肝要と思うのです。
でもね、いるんだこれが〝身勝手サン〟
例えばクルマの運転ひとつにしても(たびたび触れていますが)ハンドル握った自分がイチバンという心理でいれば、モラルも信号もあったものじゃありません。
また、例えば同じ社内にいても、自分の出世ばかりを画策していたのでは、単なる足の引っ張り合いになって、企業の成長はとても見込めないでしょう。
マ、概して〝身勝手サン〟は、自分の行動がいかばかりか、という「内省(ないせい)」ができない性分なので、外から諫(いさ)めることは至難なのですが、どうせ同じ社会で生きていくなら、お互い思いやりの心を持ち、共に高めあっていきたいものです。
いずれにしても、昨今の社会は〝身勝手犯罪〟があまりに多過ぎると思います。
せめて私たちの暮らす地域においては、そのようなものの温床とならないよう、思いやり社会が構築されるよう社会環境を整えていくべき、と改めて思いをいたしたところです。
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