19日の夜、公私ともにお世話になるOさんから電話がありました。
訊けば、Oさんのお住まいの地区で サル(猿)が目撃されたとのことなのです。
Oさんがお住まいの地域は、長野市篠ノ井岡田地籍で 中尾山の麓(ふもと)、近隣には茶臼山動植物園や銘寺である「玄峰院」や「光淋寺」があります。
もとよりリンゴ栽培が盛んな地域で「共和のリンゴ」として内外にも評価が高く、かくいうOさんもリンゴの大農家でおられます。
(マップ中の赤十字マークの辺り)
Oさんによると、19日の午後3時頃に近所の方から「ウチの屋根(下屋)にサルが居座っている」との連絡があったことから警察に通報、ちょっとした騒ぎになったそうです。
件(くだん)のサルは見た目も大きく 成獣とみられましたが、そのお宅の屋根(下屋)から動く気配も無く 1時間以上もじっとしていたそうな。
その後 ふとしたことで姿が見えなくなったことから、一旦警戒を解いて 明朝に再びパトロールすることになったそうです。
現場は典型的な農家集落。庭付きの大きな住宅が軒を連ね、そのうちの一軒のお宅の屋根(下屋)に本人?がやって来て居座り続けたようです。
サルは1頭のみ。群れを成しているワケではなく、いわゆる〝はぐれ猿〟の様子だったそうです(画像は資料)
(資料写真)
Oさん曰く「クラちゃんも知ってのとおり、ここ(共和)は有数のリンゴの産地だ。今は冬で枝には枯れっ葉しか付いてないけど、時期ともなれば共和全域にリンゴの実がたわわに実る。そして それ(リンゴ)は、オレら農業者にとって 一年一作の唯一の収入源だ。そこに、もしサルの群れがやって来ようもんなら、その被害の大きさは想像に難くない。下手すりゃ樹(木)に実った分を丸ごともってかれるんじゃないかと、考えれば考えるほど恐ろしい限りだ。」と深刻な表情で話しておられました。
[参考]共和園芸農業協同組合HP
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続けてOさん「この辺りも ご多分に洩れず野生鳥獣が多数出没している。裏手に中尾山(茶臼山)を抱え、それは西山(信州新町・中条)から大町方面まで地続きになっているから、連中は山を伝って自由に行き来しているだろう。昨今の鳥獣被害でヒドいのは「鹿」だ。連中はリンゴの葉・枝・幹の樹皮までもむしって食ってっちまう。あと、オスの鹿は大きな角(つの)を幹をこすりつける行動(様態)があり、それがまた樹(幹)本体を傷つけ 場合によっては枯死してしまう。ひでえもんだ。」とのこと。
そして「で、今度は「サル」だと?どうせ連中は、充分に実って食べ頃になった果実(リンゴ)を食うって算段だろう。これじゃあ鳥獣のエサを育てているようなモンだ。」と、大きな心配について声を大にして話しておられました。
長野エリアのサルによる被害については、とりわけ山間部において遍在しており、その農業被害額は数億円に上っているとのこと。
[参考]長野県資料
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https://www.pref.nagano.lg.jp/yasei/documents/02honbun_nagano_saru5_soan.pdf
一方、長野市エリアにおけるサル(ニホンザル)の目撃情報は、戸隠エリアが圧倒的に多く 他にも若穂・中条・松代エリアでも、サルを見たとか 実際に農業被害に遭ったなどの情報が寄せられています。
[参考]長野市域内での野生獣の目撃情報(R3年度)
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https://www.city.nagano.nagano.jp/documents/3071/747471_1.pdf
で…前掲のとおり 長野域内は「山」で地続きになっており、境界や ましてや移動の規制線などがあるワケではないので、連中は自由に行き来することができますよね。
その連中が、おいしい「共和のリンゴ」の味を覚えてしまったとすれば…Oさんでなくとも、空恐ろしい感が湧き上がってくるところです。
翌朝、再びOさん宅を訪ねて様子を訊くと その後サルの姿は見えず、どうやら山へと戻っていったようです。
しかし、今回 野郎が当地へ姿を見せたということは、また再び来ないとも限りません。
それも今度は、こんな冬季ではなく 実りの秋の時季を選んで来たとすれば…その影響(被害)は底知れないものがあることでしょう。
今回の〝珍客来訪〟については 行政当局とも情報を共有し、今のうちに対策に頭を巡らすべきとおもうところです。
なお、長野市においては『長野市鳥獣被害防止計画』を策定し さまざまな野生鳥獣による被害の対応を期しています。
[参考]長野市野生鳥獣被害防止計画
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https://www.city.nagano.nagano.jp/documents/3080/animalprotectplan.pdf
今後〝猿害〟について、こちら共和地区も実質的に加え 対策を検討するよう具申してまいります。
今はまだ 葉も実も無いリンゴ畑ですが、時季が来れば ほっぺが落ちるほどの銘品がたわわに実のることになります。
それは われわれ人間にとっても秋の味覚であると同じく、連中にとっても〝忘れられない味〟になってしまうかもしれないのですから。
この山のどこかに〝難敵〟が潜んでいるのでありましょうか…。
長野エリアにおける「サル」の存在。
片や インバウンド招致の観光資源として欠かせない存在であり、片や 農業被害の急先鋒として迷惑な存在となるかもしれない…。
複雑このうえ無い心境であります。
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