医療従事者の方(Aさん/男性)と話す機会がありました。
Aさんは、内科・小児科の医院で医療事務に従事しておられ、直接 現場(診察)には関わらないものの、昨今のコロナ禍をはじめとする多難な医療現場の只中におられます。
コロナ禍の襲来から3年が経過しようとしていますが、曰く「あれ(コロナ発生)以来、医療現場は混沌の中にある。」と言(ご)ちておられるのでした。
今夏には「第7波」を迎え(迎え撃ち)、引きも切らない患者(感染者)さんの対応に追われ、それ(第7波)がようやく〝引き潮〟になってきたと思ったら、地方都市を中心に八度(やたび)の感染者の増加傾向となっている様相には「またか…」のイヤな予感しかないと 眉間にしわを寄せておられました。
そんなAさん、過日 医院のドクターから、これからの時期(時季) 特に今年に関しては、新た…というか、複合的な感染リスクに注意しなければならないことを聞き これからの医療体制(維持)に不安を抱かざるを得なかったとのことでありました。
その〝複合的な感染リスク〟は「フルロナ」と称されるそうです。
「フルロナ」とは、1人(の患者)が 2種類のウイルスに同時感染する症状のことで、特にこの冬は「インフルエンザ」と「コロナ」の同時流行が懸念される中、これらに同時に罹患したことを指(さ)した造語だそうです。
この「フルロナ」について照会してみると、罹患した際には 相当のリスクがあることが伝えられていました。
「フルロナ」は現在、主にイスラエルやアメリカ・ブラジルなどで確認されているそうです。
英国の研究チームによると、2020年2月~21年12月にかけて コロナ感染者で他の病気の検査も受けた約7,000人を調べたところ、3,2%が「フルロナ」だったそうです。
「フルロナ」の患者は、コロナだけに感染した患者に比べ リスクは人工呼吸器の装着が4,14倍、死亡が2,35倍だったとのことです。
このデータに基づき 感染症学の専門家は「フルロナになると 重症化する恐れがあると言える。」と指摘しています。
また、マウスによる実験では コロナに先にかかるとインフルエンザのウィルスが増えやすいという結果も出ているそうです。
ここで問題になるのが、たとえば日本においては ここ2年ほどインフルエンザの流行が無く、そのために日本人の中に自己免疫が落ちている人が多いことだそうです。
そのため、コロナ禍の最中(さなか)でコロナ感染症に罹(かか)るとインフルエンザへの感染リスクも高まり、すなわちそれは「フルロナ」として同時感染となり 重症化リスクが高まる可能性が増す、いわば負のスパイラルに陥る可能性があるとのことだそうです。
また 別の呼吸器感染症の専門家は、高齢者がインフルエンザに感染すると 肺炎を起こすなど重症化しやすいことから、高齢者や基礎疾患のある人は コロナ感染症への警戒に併せてインフルエンザにも注意すべきと強調されていました。
これら さまざまな観点での感染予測がある中、厚生労働省は 新型コロナウイルスとインフルエンザの感染者数が今冬のピーク時には1日あたり75万人になるとの試算を発表しています(内訳はコロナが45万人・インフルエンザが30万人)。
コロナ禍の発生から3年が経過しようとしていますが、(前掲のとおり)わが国においては これまではインフルエンザの流行は低水準でしたが、インバウンドの規制緩和に伴い国を越える移動が活発化した今年については 各国でのインフルエンザの流行に伴い日本でも同時流行(フルロナ)が懸念されます。
このこと(同時罹患)については Aさんのような医療機関(医療現場)においては、コロナvsインフルの識別困難などの厄介な対応を余儀なくされると同時…イヤそれ以上に、同時罹患したときの体調不良も相当のことになることが伝えられていることから、この冬 私たちは今まで以上に(感染しないよう)万全の注意を払わなければならないと申せます。
何といっても、体調不良は自分もちです。
それと、コロナ&インフルエンザのW(ダブル)で周辺に影響(迷惑)を及ぼすことにでもなれば、互いに大変なことになる…年の瀬が近づき慌ただしくなる中で、そんなイヤな辛(つら)い思いはしたくないとしみじみ思うところです。