goo blog サービス終了のお知らせ 

倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

皆既月食と天王星食…442年ぶりの天体ショー/「説明会」のあるべき姿

2022-11-09 | 日記

8日の夕刻、月が地球の影に入る「皆既月食」と 天王星が月に隠れる「天王星食(惑星食)」が全国で観測され、私も夜空を見上げる一員となりました。(私の(安価な)デジカメはオート撮影のため 夜間はシャッタースピードが遅く「ハレーション」を起こしてしまうため(月食の模様が)クリアに撮れず(涙)、辛うじて掲載に叶うのは露光の少ない皆既直前直後のタイミングのみでした。これが私(のデジカメ)の限界です…)

 

 

 

今回の皆既月食と惑星食が見られるのは、実に442年ぶりとのこと。442年前といえば「安土・ 桃山時代」で、あの織田信長や豊臣秀吉が生きていた時代です。

当時、かの歴史的人物も 私たちと同じように夜空を見上げていたのでしょうか。

当時は もしかしたら「月食」などという天体情報が無く、何か不吉な現象として忌(い)まわれたのかもしれませんね。

あれから400年余の時空を越えての同じ現象を目にすることとなり、何ともいえないロマンを覚えた者の一人でありました。

 

 

 

夜空を見上げるなど久しぶりのことでしたが、いつの間にか小寒くなった陽気の下 時間経過と共に月の白い部分が小さくなり、やがてそれ(月)は 赤銅色の球体となってゆきました。

(こうなってしまうと、私のデジカメでは画像(赤銅色の月を)捉えることはできませんでした)

※ 下は本職の撮影画像(tenki.jp/サイエンスから引用)

 

 

 

で…お月様がお隠れになってから数十分後、今後は欠けた逆の面から薄(うっす)らと白い部分が。再び月が顔を覗かせてくれたのでした。

 

 

 

この皆既月食・惑星食、次回の天体ショーは 322年後の2344年に起きる「土星食」だそうです。

3桁の数字(歴史)を簡単に飛び越える天体の流れ。

それに比べれば、人の一生など 何と僅(わず)かなものでありましょう。

で あるからこそ、限られた時間(寿命)を一生懸命に過ごさなければならない…改めて自戒したところでありました。

 

 

 

 

 

◇「太陽光パネル設置」を巡る〝恫喝説明会〟の信じ難いニュースに「説明責任」の何たるかを思う

お天道さまが こんなステキな天体ロマンを私たちに見せてくれているのに、その一方で〝人間界〟では 太陽光を巡って劣悪な所業が為(な)されていることが報じられ、信じ難い思いにさせられると同時に「説明責任」について考えさせられたところです。

 

報道によると、山梨県北杜市 大泉町に設置予定の 営農型太陽光発電設備の(設置に向けた)合同説明会において、設置事業者の社員が 参加者に向けて威圧的な態度を取ったり、果ては その傍若無人な行為を止めようとした人に暴行を振るなど 常人では考えられない「説明会」を行なったとのことなのです。

 

 

 

この「説明会」における蛮行の数々は 既に多くのメディアで報じられているところです。

参加者の質問に対し「黙ってろって!」と叫ぶ・参加者が持参した資料を奪い取る・住民に怒号を上げ、制止しようとした部下の脇腹を殴る・別の日の説明会に参加するために足を運んだ近隣住民を(壁のロッカーを殴って大きな音を立てるなどして)追い返す など、常軌を逸する行動を取って いわば説明会を〝制圧〟しようとしたのでした。

 

今回の常軌を逸する住民説明会が行なわれた山梨県北杜市は「日照時間が日本一長い」とされ、太陽光発電施設の設置が積極的に行なわれてきましたが、一方で市民の間からは 環境への影響や安全性への不安の声が上がったことから、北杜市では条例を制定し、事業者が太陽光パネルを設置する際には、地域住民などへの周知が必要と定めています。

 

[参考]北杜市太陽光発電設備設置と自然環境の調和に関する条例

              ↓

https://www.city.hokuto.yamanashi.jp/fs/3/6/9/9/5/9/_/_____________________________________1__.pdf

 

※同上が掲載されている北杜市HP(当該ページ下部)

           ↓

北杜市太陽光発電設備と自然環境の調和に関する条例の一部を改正しました - 山梨県北杜市公式サイト

 

 

 

今回の〝恫喝説明会〟は、その(説明会)の開催そのものは、上記の条例に準拠しているものと思われますが、その中身(運営)は、ご案内のとおりの酷(ひど)いものでありました。

この陰には、法的にみて 太陽光パネルの設置が、土地利用の規制に準拠していれば設置は可能との現行ルールがあり、それが この連中を強気にさせている一因とも思えます。

今回の「営農型太陽光発電設備」についても、隣接地で営農するなどの条件をクリアし 設置(計画)に至ったものと思われます。

 

それにしても、です。

たとえ関係法令で認められたとしても、関係する住民に対し丁寧な説明を行ない そのうえで理解を得ることが常識というものではないでしょうか。

ところが報道によると、参加した住民が「これは「説明会」ですよね。」と問うと 業者(の代理人)は「黙って聞いてろっていうんだよ!」と大声を出し、住民に対して威嚇するような行為を繰り返したとのこと。

これは、この業者が説明会を「やる」ことだけを目的にしており、事業の内容等について理解してもらおうなどという気がさらさら無いことを体現していると思われてなりません。

 

こんな異常事態になったことから、地元の「太陽光パネルの乱立から里山を守る北杜連絡会」は 北杜市(市長)に対し「適正な住民説明会開催の義務付けなど求めた要望書」を提出しましたが、それにし、市(市長)は下記のように回答とたとのことです。

今回の事案は
○事業者の社会的規範を逸脱した行動
○100m範囲外の住民を排除した
という2つの事案が重なったもの。
100m範囲外については、市の指導・助言に従わなかった特異なケース。当該事業者には注意。事業実施の意思が示された場合は、強く指導する。
説明会開催については、必ずしも明確でない形式的な説明会の開催によるものではなく、直接的に「説明する」という表現の方が良いと考えている。直接説明が受けられなかったことが発覚した場合、許可の前後を問わず、当該住民に対して説明と理解を得るように努めることを指導する。
今回の事案は、当該事業者1名の尋常ならざる行動で起きたものあり、他の事業者に対して同様の懸念を持って扱うものでない。

とのこと…要は「注意はするけど事業の中止は求めない」ということなのです。

また、この異常な説明会を行なった事業者については 今後の対応について「当該の男性は、説明会に出席しないようにしました。今後は北杜市と相談しながら、説明会を改めて開く予定です。」と回答、要は(説明会の)メンツを変えて事業(説明会)は継続する とのことでありました。

 

今回の〝恫喝説明会〟その顛末については誰もが納得し難いところですが、一方で私が思わされたのが「説明の在り方」について であります。

今回の説明する側の蛮行に対しては 最大限の表現で非難するところであり、そのうえで その〝やり方〟を一言でいうと「一方通行の論理」ではないかと思いました。

「もう決まったことだから オマエらおとなしく聞いとけ。」とでも言うものでしょうか。いわゆる問答無用の論理。

この論理、今回は恫喝や暴言などの蛮行が伴ったことから そちら(蛮行)が目立っているところですが、これ(一方通行の論理)は 私たちの身近なところでも 実際に行なわれているのではないかと思うところです(さすがに恫喝はありませんが)。

 

例えば、長野市の進める「公共施設マネジメント計画(公マネ計画)」…公共施設管理運営の将来負担軽減を〝錦の御旗〟に据え、10年以内に(市有施設の)2割を削減するとの計画であります(ありました)。

この計画についても、これまでは「既に決まったこと」的なスタンスで 市は「説明(会)」に取りかかり、いわば問答無用で施設の削減を実行に移そうとしてきました。

 

しかし、そこ(公マネ計画)には 現有の施設の利用頻度や市民ニーズ、また将来に向けた有益度などが度外視されていたことから 心ある市民の方々が疑問の声を上げることとなり、かかる〝一方的な削減計画〟は見直しを迫られることとなっています。

そんな状況に際し (ここから先が 前掲の〝恫喝事業者〟と大きく違うところなのですが)長野市は かかる心ある市民との意見交換会に積極的に応じ、これまで やや頑(かたく)なであった姿勢をイイ意味で軟化させ、逆に市民意見を取り入れたうえで公マネ計画を進めるように軌道修正を図ることとなってきました。

 

この 全く質(しつ)の異なる展開に触れ、この成果は「説明会」の在り方について考える機会ともなりました。

「説明会」というものは、決して一方通行であってはならない。

事業などについて ひと亘(わた)りの説明は行なうべきものの、その先には 聞いた側(市民)が納得できるやり取り(意見交換)が欠かせないこと、そのうえで 主催(宰)者は かかる意見に耳を傾け、意見の内容によっては それを積極的に受け容れ、イイ意味で軌道修正する。そのことで 当初の計画はより良いものに〝進化〟するのではないか。

住民(市民)に理解を得ようとするならば、ひと際に受容の心をもって臨まなければならないことを実感した 一連の顛末でありました。

 

 

ちなみに、長野市における太陽光パネル設置については条例を制定し、関係者には その準拠を強く求めています。

 

[参考]長野市太陽光発電設備の設置と地域環境との調和に関する条例の掲載HP

                ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/soshiki/kankyo/463811.html

 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コロナ禍 ~第8波の予感~ | トップ | 「体育館を活用したまちづく... »