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倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

「半沢直樹」が伝えてくれたもの

2020-09-29 | 日記

みなさんもご覧になりましたか?テレビドラマ『半沢直樹』。

 

かくいう私も〝半沢劇場〟に心酔した一人でありました。

ドラマの内容については 今さら話すまでもありませんが、総じて申せば、自分の信念を貫くバンカー(銀行員)である 主人公の半沢直樹が、周囲の横やり(実際には中野頭取の親心)によって出向の辞令を出され、行く先々で厳しい仕打ちに遭うも 持ち前の不屈の精神と「正義は勝つ!」の信念で あまたの難敵に敢然と立ち向かい、最後は「倍返しだ!」の痛快極まる名セリフをもって 相手の悪行を暴き撃退してみせる筋書きは、出演俳優の好演も相まって 視聴者の心をわし掴(づか)みにしたのでした。

 

特に 第10話(最終話)は、半沢劇場の味わいが凝縮されていると言えるほどの 濃密かつ痛快な展開となりました。

支援企業の再生に取り組む中で、政府の強引な政治介入に毅然として立ち向かい 最後には有為な若手女性代議士の心を開いたうえで、陰(かげ)で糸を引く悪徳幹事長の悪業を暴く。

 

 

その決めセリフ「政治家の仕事とは、人々がより豊かに、より幸せになる政策を考えることのはずです。今この国は大きな危機に見舞われています。航空業界だけでなく、ありとあらゆる業界が厳しい不況に苦しんでいる。それでも人々は必死に歯を食いしばり、懸命に日々を過ごしているんです。それはいつかきっと、この国にまた誰もが笑顔になれるような明るい未来が来るはずだと信じているからだ。そんな国民に寄り添い、支え、力になるのがあなた方政治家の務めでしょう?あなたはその使命を忘れ、国民から目をそらし、自分の利益だけを見つめてきた。謝ってください。この国で懸命に生きるすべての人に。心の底から詫びてください!」には、私ならずとも「そうだ!」と快哉を叫んだものです。

ことに私自身、及ばずながら政治に関わる者として 主人公の真っ直ぐな言葉は、強く胸に響くものがありました。

 

 

 

 

 

 

そして この最終話。図らずも なのでしょうか…窮地に陥った半沢直樹を励ます 愛妻の花ちゃんが伝えた言葉や、正義と保身に揺れる国交大臣を説得する中野頭取のつぶやきが、胸を打たずにおれませんでした。

帝国航空再建プロジェクトから外されてしまい 絶体絶命のピンチに立った半沢が人事から電話を受けている家庭のシーンで、愛妻 花ちゃんは夫に詳しいことは敢えて訊かず「何があったか知らないけど、もう頑張らなくていいよ。」と語りかけ、そして「生きていればなんとかなるんだよ、生きていれば。」と優しく そして力強く励ましたのでした。

また、過去を振り返る中野渡頭取が、かつて不正に巻き込まれ自ら命を絶った上司を思い「生きて欲しかった。今ここで共にに話すことができたらどんなによかったか…。」と 感極まった表情で言葉を絞り出すシーンは、盟友を失った悲しみと 慚愧(ざんき)の念を感じさせるに余りあるものでした。

 

 

 

 

・・・・・。

最近、著名な芸能人の自殺報道が相次ぎ 心を痛めている者の一人です。

人は 誰しも心に悩みを抱えて生きているものです。そして その悩みの嵩(たけ)・深さは、本人以外の誰も決めることはできません。

「そんなくだらないことで悩んでいるのか?元気出して頑張れよ、じゃあな!」などの〝激励〟は、最悪の掛(か)け言葉といえるでしょう。

そして、その悩みの突き詰めたところに「自死」があるとするならば、これをどのようにしたら思い止(とど)まらせることができるのでしょうか。

 

この突き詰めた心境は、その本人にしか判りません。

私自身、一時期 そのような心境に至ったことがあるだけに、「自死」を選択する人の心の有様(ありよう)に思いをいたすとき、その 本人にしか判らない葛藤が理解できるからこそ「何とかならないものか…」と 思考せずにおれないところであります。

 

 

 

 

 

 

ドラマ『半沢直樹』は、観るものに 実にさまざまなことを伝えてくれました。

信念を貫くこと。最後まで全力を尽くすこと。そして、その大前提として 生きてゆくこと。

社会の中で生きる「ネジ」の一つとして、ときに励みにさせてもらいたいと思うところです。

 

 

 

 

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