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落日の室町幕府―蜷川親俊日記を読む 価格:¥ 2,940(税込) 発売日:2005-12 |
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京都の街を歩いていると、
○○時代の京都の街はどうなっていたのだろう ?
その頃、京都の人々は、どんな生活をし、
どんなことを考えながら毎日を過ごしていたのだろう ?
などと想うことがしばしばある。
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京都には、歴史的な展示を行っている博物館が幾つかあり、
それらを見れば、街の様子や当時の人々の衣裳など
外見(ビジュアル)的なことについては、
ある程度理解可能だが、
生活感情など形の無いものとなると途方に暮れる。
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そんなときに便利なのが
知りたい時代を生きた人々が残した日記。
日本人の日記好きは有名だし、
公家などにとっては有職故実が生き残る糧だったから、
日々起こった出来事にどう対処したかについて
細々と記した膨大な日記を
家産として残している例も多い。
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冒頭に掲げた、「落日の室町幕府」は、
政所代(まんどころだい)という、
幕府の要職にあった
蜷川親俊の残した日記世界から、
1538~51年の京
都の街の様子や政情を描きだしたもの。
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今谷明さんが、その著書で、
上杉本洛中洛外図に描かれたのは、
1547年に
16日間だけ存在した
実際の京都の街だ、、、、
と残された歴史資料から論証したのは有名な話だが
(→「京都・1547年」)、
時代がオーバーラップしていることもあり、
この親俊日記には、
上杉本洛中洛外図で描かれている
様々な公家や武家、医家の屋敷などが実名で登場する。
( → 今谷さんの論証にも、この親俊日記は使われている )
まるで、
洛中洛外図の作中人物の「語り」でも聞いているようで、
歴史好き、京都好きの方には
とにかく、興味が尽きない本だと想う。
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【参考文献】
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京都・一五四七年―上杉本洛中洛外図の謎を解く (平凡社ライブラリー) 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2003-10 |
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戦国時代の貴族―『言継卿記』が描く京都 (講談社学術文庫) 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2002-03 |
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