日日是好日 森下 典子
今年 この本を原作とした映画ができるというので何となく気になっていたのですが、 懐かしくて 再読しました。
その中で、やはりと思った個所を列挙しておきます。
・世の中には『すぐわかるもの』と、『すぐにはわからないもの』の二種類がある。 すぐわかるものは、一度通り過ぎればそれでいい。けれど、すぐにはわからないものは、 中略 何度か行ったり来たりするうちに、後になって少しずつじわじわとわかりだし、『別もの』に変ってゆく。
・『病気をきっかけに、身の回りの何でもないありふれたことが、ものすごく愛おしく感じられるようになった』 という人もいる。 人には,どんなにわかろうとあがいたところで、その時が来るまで、わからないものがあるのだ。
再読するにつれて、初めてなるほどと思う事よりも、そうだ私も同じくそう思っている、といったことが多いように思う。 私も、作者と同じく年を取って少しは生きてゆくことがわかるようになってきたのかな。
・『もし私だったら、心の気づきの楽しさを、生徒にすべて教える』・・・・それは、自分が満足するために、相手の発見の歓びを奪うことだった。 この言葉が今社会にでたばかりの息子たちに向かって思う気持ちである。 彼らの人生は彼らが楽しむものである。良いことも、つらいことも すべて彼らが自分で判断した人生のストーリーであるべきである。 私は傍で、彼らの人生を見守るだけ。