面と向かって言えないこと

いまや会社では、電力不足からくる社会的要請のためだけでなく、

電力使用料金の値上げに対抗するための節電、

すなわち経費削減のための節電の実施が必須課題となっています。

どこの会社も、

これまで絞りに絞ったうえでの節電ですから、

今夏はどんな節電対策を講じるか、

総務担当者は頭を悩ましているところだと思います。

照明をすべてＬＥＤに取り替えたり、最新の空調設備を導入したり、

先行投資すれば節電効果が高いとはわかっていても、

私が勤務するような貧乏会社には、なかなか難しいものです。

今夏の節電対策を役員にせかされて報告したときのこと。

「電灯の間引きより、人の間引きをしたほうが効果的だ」

大勢の社員を前にして、大声でそうのたまった取締役がいました。

社員の誰もが、

「一番に不要なのは、そう言うあなただ」

と思っているとは、本人は知る由もありません。