くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

クレーマー扱いされないために(17)

2011-05-03 22:01:49 | 正しいクレームのつけ方
震災でご無沙汰していましたが、久々の再開です。

正しいクレームのつけ方【行動編】

その2.主張の内容にふさわしい格好と態度で

このカテゴリーの(15)〔2011年2月19日〕で書いた、
悪質クレーマーのためのマニュアル本には、
クレームをつける会社へ出向くときの格好として、
このように書かれてあります。

「サラリーマンが普段ちょっと着ないスーツがベスト。
 歩き方一つでも大きく見せる、肩で風を切る歩き方でOK!」

何を着ようが、どんな歩き方をしようが、確かに個人の自由です。
「見かけで人を判断するとはケシカラン」とのお叱りは、
至極ごもっともなご意見です。

しかし、それは学校のl教室で行われる討論会での話しならば・・・です。
社会はそんなに単純なものではありません。

どんなに優秀な営業マンでも、
そのような服装や態度で顧客先を訪問したら、
契約をとれないどころか、下手をすれば出入り禁止です。

同じように、クレームを言うにしても、
上手にクレームを言う人は、「服装」や「言葉遣い」などに気をつけています。

服装や態度で相手に威圧感を与えたり、
心理的に優位に立とうとしたりする目的が見え隠れしていないだけ、
クレームを言われるほうも、その主張に真剣に耳を傾けられるのです。

また、威圧感を与えようとする意図がない場合でも、
物事にはそれにふさわしい格好と態度というものがあります。

過去に経験した例では、こんな人がいました。
ある中年の男性からクレームがあり、家に呼びつけられました。
指定された時間に訪問すると、その男性はステテコにランニング姿。
リビングに通されると、冷蔵庫からやおら缶ビールを取り出し、
一人でグビグビと飲みながらクレームを言い始めました。

交渉場所が自宅でしたから、ステテコにランニングが普段着なのかもしれません。
また、この人にとっては、ビールは水と同じ感覚だったのかもしれません。
しかし、訪問したのは身内や友人ではないのです。
その男性がクレームを言う立場であることを差し引いても、
とても交渉相手を迎える態度とは思えません。

酔いの回り始めた眼(まなこ)でクレームを言われても、
どこまで本心・本気なのか疑わしくなってしまいます。
それで「誠意、誠意」と口にされても、まるで真剣さが伝わりません。

「お客 対 店員(社員)」「苦情を言う人 対 言われる人」
この関係だけで自分が相手よりも上位であると考え、
立ち振る舞いに意を解さずにいると、
いつの間にか悪質クレーマーにされている危険があります。

「お客 対 店員(社員)」という関係である以前に、「人間 対 人間」なのです。