人間も、もとをたどれば野生の動物です。
社会を構成し、さまざまな発見と技術で文明を発達させ、
原野に生きる動物とは異なる生活をしていますが、
人間も、地球が生み出した自然の一部であることに、
いまも変わりはありません。
だから人間だって野生動物と同じように、
食物を得るためには狩り(労働)をしなければならないし、
仲間同士で諍いを起こすこともあります。
病気や天災で命を失うこともまた、自然の摂理です。
人間だけが自然を超越した、特別な存在なのではありません。
しかし、犯罪と交通事故だけは人間が生み出したものです。
これだけは決して自然の摂理ではありません。
だからこそ、これらによって人が命を失うということは、
とりわけ不幸なことなのであり、遺された者にとっても、
悔やんでも悔やみきれないことなのです。
人によって生み出されたものであるならば、
人によって無くすこともできるはずです。
完全に無くすことはできなくても、
一人一人の意識によってリスクを減らし、
被害者を少なくしていくことができるはずです。
あきらめきれない命を増やさないために。