くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

「トッカブ」ってご存知?

2010-06-02 22:20:05 | 総務のお仕事(反社対応)

「トッカブ」ってご存知でしょうか?
「特殊株主」の略、いわゆる反社会的組織の株主のことです。
総会屋だけでなく、暴力団や右翼、ブラックジャーナルなども
株付けすれば「トッカブ」です。

今月は株主総会が集中する6月。
警視庁には、今年も「株主総会特別警戒本部」が設置されました。

そこで先日、株主総会の臨場要請書を提出してきました。
これは株主総会当日、特殊株主の不測の行動に備え、
株主総会会場に私服警察官の配備を要請するものです。

株主総会集中日にテレビで放映される大企業の総会風景だけでなく、
この日、都内各所で開催されている上場会社の総会会場には、
ほとんどと言っていいほど私服警察官が臨場しているはずです。
(彼らは、複数会場を掛け持ちで移動しています)

確かに昔に比べたら、特殊株主の活動は下火になっています。
そのため、「株主総会への臨場」には、
「私企業のために、国民の税金を使うとはけしからん」といった、
さまざまな批判があるのも事実です。

しかし、こういった活動の継続があったからこそ、
特殊株主の犯罪行為が減少していったのも事実なのです。

また、「営利企業のために税金を・・・」という批判もありますが、
特殊株主の行為は「犯罪」であり、彼らが総会屋行為で得たカネは、
反社会的組織の活動資金へと流れ、
国民生活を脅かす新たな犯罪の資金となります。

「株主総会への臨場」は、
単に株主総会での不法行為を防止するだけでなく、
こうした一連の総会屋行為の芽を未然に防止する役割があります。

そういった点で、民間警備会社が警備することとは、
根本的に異なっているのです。

ところで近年の株主総会では、
確かに特殊株主の出席や発言は減ってきています。
その代わり、一般株主の発言が過激になり、
どちらが特殊株主かわからないような光景も見られることがあるようです。

警察の立場としては、特殊株主の不法行為だけでなく、
一般株主の行為であっても、
「不法行為を為した場合は行動を起こさざるをえない」
ということだそうです。

ちなみに最近の特殊株主の行動ですが、
かつての恫喝や暴力では逮捕されてしまうので、
与党株主(企業寄りの株主)を演じて企業に近づき、
下請参入や物品購入を要求する作戦に変わってきているようです。

実は私の勤務する会社にも来るんです。
株付けはしていないけれど、警察にマークされている特殊株主が。
いまのところ何を要求するわけでもなく、
世間話をして帰るだけですが・・・

その話題は、また別の機会に。