院長室から

日々の診療、子育て中のつぶやき

糖尿病と大血管障害(心筋梗塞、脳卒中)の講演会にいってきました。

2010-04-28 10:43:40 | 診療所

昨夜は、糖尿病と血管病変の講演会がありました。

講師は順天堂大学循環器内科の島田和典先生でした。語り口や表情に温かみがあって、きっとかかった患者さんは安心するだろうなって思いました。ひそかにちょっとファンになりました。

糖尿病は、全身の血管が砂糖漬けになってしまってボロボロになっていく病気ですが、最近はより早くからの血糖コントロール、特にアップダウンが小さくすることが、将来の合併症を予防することが分かってきています。血糖値が上がったり下がったりを繰り返すと血管の内張りとなっている内皮が傷ついてしまいます。

たとえば、ここ1.2カ月の平均血糖を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を6.5以下に保つのは大原則ですが、さらに同じ6.5の方でも、食前130食後150という人のほうが、食前80食後200の人より合併症を起こすことが少ないのです。

なので、いかに食事前の血糖を下げすぎずに食後の血糖の上昇を抑えるかがカギとなります。

健康な人は、ほとんど血糖は100前後で一定していますが、糖尿病の人は変動が大きくなってしまうため、当然高血糖にもなりますが、食事が遅れたり食前に運動したりすると低血糖になってしまう危険性もはらんでいます。血糖が上がりやすくて下がりやすいわけですね。

効果的に食後血糖を下げるには、薬のほかに食後30分から小一時間運動をすることがとても有効です。是非1日3食のうち、どこか一食の後だけでも運動に充てることをお勧めします。運動といっても、たとえば夕食後の長めのお風呂で歌を歌うでもいいですし、朝食後に犬と散歩でもいいですし、昼食後に歩いて買い物でも運動になります。掃除もかなりの運動になりますよね。少し腕を振ったり腿をあげたりして歩くと、運動強度も上がりますので是非日々の生活で少しずつ体を動かすことを心がけてください。もちろんジョギングをしたり、スイミングをしたり本格的にやっていただければなおよしです。