歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

鋳造工場で実習する工業高校

2009-08-07 00:55:23 | ものづくり・素形材
 今月の「鋳造ジャーナル」(社団法人日本鋳造協会)を読んでいたら、「桑名工高のインターンシップとデュアルシステム」という記事が目に止まりました。

(以下引用)
 三重県立桑名工業高等学校は、桑名商工会議所の協力を得て、生徒が就業体験する「インターンシップ」と、企業実習を授業として選択できる「デュアルシステム」を実施している。これらは生徒をはじめ、保護者、企業にとって好評で、県外からの見学者は後を絶たない。そこで鋳造分野において生徒を指導した桑原鋳工を訪問し、桑原亮一会長と桑名工高の上野久美雄教諭に、企業実習の現状と課題などについてインタビューした。
(中略)
 桑原会長は「地元に桑名工高があるため、やりがいがある。社員たちも、生徒の模範になるべくモチベーション向上に役立っている」と就業体験、企業実習の意義を強調する。訪問した日、工場内で見学したのはベテラン社員が生徒を指導しながら、溶湯を一緒に型に流し込む作業。ベテラン社員も生徒も真剣そのもので、作業が淡々とスムーズに運ぶのには驚かされた。
(引用終わり)

 

 桑名は東の川口と並ぶ中小の鋳物屋さんが集積する「鋳物の町」ですが、川口と同様に経営は厳しいようです。そんな中、高校生が鋳造工場で実習して鋳物作りの奥深さに触れているということは、明るい話題が少ない鋳造業界にとって嬉しいことでしょう。また、どうしても危険な要素が多く伴う鋳造工場での生徒の実習を決定した桑名工業高校の英断も大いに讃えたいと思います。
 高校生の実習だからどうせ小さな作品を作る程度かなと想像しましたが、写真を見ると作品のサイズはかなり大きく、生徒たちは本格的な鋳造の工程を経験していることがうかがえます。桑名を再訪する機会があれば、私も実習の模様を見学してみたいものです。