クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

幼な子を“小倉城”に連れて行くと……

2016年12月10日 | 城・館の部屋
小倉城は埼玉比企郡ときがわ町にある。
丘陵の上に存在し、石垣がある城としてよく知られている。
石垣と城はセットのようなイメージがあるが、
戦国期の関東の城では珍しい。

宵時に辿り着いた小倉城。
雨もぽつぽつ降っていた。
本郭まで行くのはやめようかと思ったが、
一旦登り始めるともう止まらない。
どんどん登ってしまう。

息子もノリノリで登っていく……
というわけではなく、
のっけから「抱っこ」の声。
息子を抱えて小倉城を登る。

険しい山道ではないが、
幼な子を抱いての城攻めは息が切れる。
持久走なみの息の切れ方だったかもしれない。
何度か歩を止め、休み休み登った。

日はどんどん暮れていく。
宵闇が静かに忍び寄る。
そんな中、親子2人で城を登る姿はいささかホラーだったかもしれない。

小倉城は謎も多い。
城主が誰だったのかも定かではない。
後北条氏の重臣“遠山右衛門大夫光影”とする説があれば、
松山城主だった“上田氏”という説もある。
誰が何の目的で築城したのか……。

小倉城は国指定文化財になっている。
本郭は木が伐られ、ちょっとした広場のようになっている。
息子のテンションは上がることはなく、
地面を見ながら歩いていた。

帰路もまさかの「抱っこ」。
確かに、幼な子を一人歩かせるにはいささか急な道だ。
息子を抱えて宵闇に包まれた道を歩く。
誰かとすれ違うこともなく、人の気配もない。
しかし、ふと振り返れば……


小倉城(埼玉県比企郡ときがわ町)




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