クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

図書館で忘れられない夏を作る? ―はにゅう萌え―

2014年08月21日 | はにゅう萌え
夏になると羽生図書館の学習室は番号制になっている。
受付で席番を取ってから利用するというシステムだ。

羽生図書館の学習室は心地いい。
そうは思わない人もいるだろうが、
少なくともぼくはこの部屋で多くの時間を過ごした。

というのも、自宅での勉強がどうしても集中力に欠く性分だ。
そもそも机に向かうまでが長い。
まるで千里の道を行くようにだるくて仕方がなかった。

しかし、そんな悩みは図書館で一掃した。
周囲の人が集中しているのだから、
嫌でも勉強せざるを得ない。
静かなのに熱気の伴う緊張感が背中を押すのだろう。

自宅の机に向かうより図書館へ行く方がずっと遠い。
だるく感じられそうなものだが、
ちょっとした外出気分で自転車を走らせた。
体を動かすと、頭の中もすっきりする。
血液が循環して通りをよくするからだと思う。

もし自宅での勉強が億劫だったら、
試しに図書館の机の向かってみるといい。
びっくりするほど集中できる可能性がある。
周囲に何か気配があった方が集中できるタイプかもしれない。

羽生の図書館は郷土資料館が併設されている。
休憩時間に展示室へ足を運び、気分転換も可能だ。
平成26年の夏に開催している展示は「日光脇往還・新郷宿」。
江戸時代にタイプスリップできるだろう。

ちなみに、ぼくは羽生を舞台にした小説『田舎教師』を資料館で覚えた。
展示室ロビーにビデオが設けられていて、
友だちと話をしながらBGM代わりに流していたのだ。
とりわけ興味があったわけではないが、
自然と耳と目に入ってどういう作品なのかを知った。

羽生城を初めて知ったのも資料館の展示だったし、
学校の教科書には載っていないものとの出会いが何かと多かった。
それが後年の郷土史への興味に繋がるのだとしたら、
資料館で過ごした時間は、新しい世界を知る入り口だったのだろう。

それらは学校の勉強や受験とは無関係なものかもしれない。
でも、十代の多感な時期に出会った宝だったと思う。

図書館での勉強を知って以来、何かが変わった気がする。
何の予定もなかったら図書館へ行けばいいと思うようになった。
ちなみに、図書館の学習室を連れて行ってくれたのは中学の同級生だ。

彼と一緒に行ったのはそれが最初で最後だったが、
何かと面白い遊びや世界を教えてくれる同級生で、
図書館での勉強もその一つだったのかもしれない。
14歳の夏。
そういう縁はあるものだ。

お盆を終えて夏休みも終盤である。
出会いはあっただろうか。
思い出はたくさんできただろうか。
そんな出会いや思い出の中に、
「図書館」や「資料館」を一つ加えてみてはいかがだろう。
フィーリングが合えば、忘れられない夏になるかもしれない。
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