クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

鉢巻きをしたハニワが出土した? ―大越古墳群―

2018年09月03日 | 考古の部屋
何気なく佇んでいる古墳。
加須市大越にも古墳が存在している。

県道60号線から目にすることができる“八幡塚古墳”や“稲荷塚古墳”。
いずれも円墳で、徳性寺や大越小学校の近くに佇んでいる。

大越古墳群の詳細は不明だが、
人物埴輪や円筒埴輪が出土している。
人物埴輪は、鉢巻きや丸玉の首飾りをしたもの。
鉢巻きをした埴輪は丸顔で表情は読み取れないが、
首飾りの方は目がややつり上がっている。

地中にはまだ眠っている埴輪があるかもしれない。
それとも開発で切り崩されたとき、
古墳と共に消え去っただろうか。

すぐ北を利根川が流れているから、
埋没している古墳があったとしてもおかしくない。
実際、稲荷塚古墳の南方の畑で、
地下1メートルのところから円筒埴輪が出土したという。

なお、県道60号線からは見られないが、
上記2基の古墳から少し離れたところに“浅間塚古墳”がある。
整備され、一見古墳とはわからないかもしれないが、
大越古墳群の1つに数えられている。

かつてどこに、どのような古墳が存在していたのだろう。
いまよりも、もっと多くの古墳がポコポコ建っていたとしてもおかしくはない。
田山花袋の小説『田舎教師』の主人公(林清三)は大越を通っているが、
その目には古墳も映っていただろうか。