日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

牛肉輸出最高、円安追い風に 1~6月 TPP合意なら弾み

2015年07月31日 | 1.水産・農林業
(日経7/31:マーケット商品面)
 牛肉の輸出が拡大している。2015年1~6月は670トン(主な部位)と、上期として過去最大になった。為替の円安によって、海外の外食業者にとって割安感が広がった。国内では子牛が不足して牛肉の高値が続く一方、ドル換算では輸出単価が下がっている。環太平洋経済連携協定(TPP)で米国が低関税の輸入枠を拡大すれば、追い風となりそうだ。

 
和牛は米国からの注文が増えている

 日本の牛肉輸出は1~6月に前年同期比26%増となり、多くが和牛とみられる。円建ての輸出単価は同2%高の1キロ6697円に値上がりしたが、ドル換算の単価を推計すると同13%安の1キロ56ドルとなった。米国などの買い手は、高級な和牛を割安で買える。

 南九州畜産興業(鹿児島県曽於市)は「米国向けに最上級の和牛輸出が伸びている」(輸出促進室)という。脂肪分のサシが多い「A5」や「A4」など上位の等級が人気で、赤身肉を食べ慣れている米国人からするとフォアグラのような感覚だ。同社は1990年に日本で初めて米国に和牛肉を輸出し、現在はさらに販売攻勢をかける。

 海外で知名度が高い「神戸ビーフ」も順調だ。神戸肉流通推進協議会(神戸市)によると、神戸牛の1~6月の輸出は前年同期比5割増の24トンとなった。12年に米国が輸入を解禁し、引き合いが増えている。

 TPP交渉が今週末にもまとまれば、和牛輸出には追い風が吹きそうだ。米国は日本の牛肉について低関税の輸入枠をまず3千トンに拡大し、14年目で関税を撤廃する方針だ。いまは年間200トンまで1キロ4.4セント(約5円)の低関税で、超えると26.4%の関税がかかる。1~6月の米国向け輸出は前年同期比3割増の86トンに伸びており、需要増が続けば現在の枠の上限に達する。

 日本貿易振興機構(JETRO)の阿部勲・農林水産食品部長は「BSE(牛海綿状脳症)などで各国がとっていた牛肉の輸入制限が解け、和牛を売り込むチャンスは広がった」と話す。欧州連合(EU)は昨年6月から和牛輸入を解禁し、英国やドイツの輸入が増えた。香港は今年1月、30カ月未満としていた月齢制限をやめ、上期の日本からの輸入量は5割増の235トンとなった。

 課題もある。海外での和牛の需要はまだステーキ向けの部位に偏り、モモなど売れにくい部位が国内に残る。神戸牛の輸出を手掛けるエスフーズは「外国への販売増をめざすには、国内の需要開拓も必要」とみる。


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