日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

住生、米生保と買収交渉 4000~5000億円、最大市場に足場

2015年08月09日 | 企業:M&A・合併・事業承継
(日経8/9:1面)
 住友生命保険が米中堅生保のシメトラ・ファイナンシャルを買収する方向で交渉していることがわかった。買収額は4000億~5000億円規模とみられる。世界最大の保険市場である米国に足場を築き、海外展開に弾みをつける狙いがある。人口減少で国内市場の伸びが見込みづらい中、海外に成長機会を求める生保のM&A(合併・買収)が加速している。

 両社は近く買収価格など具体的な条件を詰める交渉に入る。シメトラの取締役会の賛同を得たうえで早期の交渉決着をめざす。買収価格で折り合えない場合は交渉が長引く可能性もある。シメトラの経営陣は買収後も残留する方向。

 シメトラは1957年創業で米北西部ワシントン州に本社を置く。ニューヨーク証券取引所に上場しており、7日時点の時価総額は31億ドル(約3800億円)に達する。

 企業向けの団体保険に強く、全米に約170万人の契約者を抱える。2014年12月期の保険料収入は前の期比2%増の21億8240万ドルで純利益は15%増の2億5440万ドル。住友生命の保険料等収入に占める海外比率は5%以下にとどまる。収益源が多様になり、経営が安定すれば、国内の契約者にもプラスになると判断したもようだ。

 中長期的な国内市場の縮小を見越し、他の大手生保も海外展開を急いでいる。第一生命保険が今年2月に米プロテクティブ生命を5750億円で買収。7月には明治安田生命保険が米スタンコープ・ファイナンシャル・グループを6250億円で買収すると発表した。日本生命保険も海外でM&Aを検討している。

 これまで生保の海外展開は、保険の加入率が低く、人口の大きな伸びが期待できるアジアが中心だった。住友生命も中国、ベトナム、インドネシアの生保に出資し、配当収入を得ている。ただ外資に対する資本規制が厳しいため、成長に見合った利益を取り込みたくても出資比率の引き上げが難しかった。

 米国は世界で最も大きな生保市場で、人口増加や経済成長によって今後も市場の拡大が続く見通し。生保業界の推計によると、米国の保険料収入は65兆円程度と、世界全体の約2割を占める。


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