日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

台湾野党、TPPに意欲 蔡・民進党主席、訪日終える 経済の中国依存 脱却狙う

2015年10月10日 | 台湾・香港
(日経10/10:国際1面)
 【台北=山下和成】来年1月の台湾総統選挙に出馬する最大野党・民進党の蔡英文主席は9日、4日間の訪日を終えて台湾に戻った。日本では台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)への参加に対する支援要請や、安倍晋三首相とのパイプ強化に目配りした。当選すれば日米との経済連携を強化し、台湾が長年続けてきた中国依存型の成長からの脱却を急ぐ構えだ。

  
安倍首相の地元の山口県を訪れた台湾・民進党の蔡主席(7日)

 「政権を取り戻したら一番重要なのは経済発展だ。技術や産業など様々な分野で日本と協力したい」。蔡氏は9日、東京・永田町の自民党本部で細田博之幹事長代行らと会談し、民進党の8年ぶりの政権奪回に自信をみせた。細田氏も「お互いの交流を深めるのは素晴らしい」と応じた。

 台湾は日本と正式な外交関係がなく、総統に就任後は訪日できない。蔡氏の訪日は5~6月の訪米と同様、総統選勝利をにらんだ事前のパイプ作りの意味合いがあった。

 蔡氏はTPPへの早期参加を政策の目玉の一つに据えている。会談した与野党議員には「TPP交渉参加への支援をお願いしたい」と強調した。国民党の馬英九政権もTPP参加に前向きだが、総統選を優位に進める蔡氏が日本の理解を得ることは将来のTPP参加に大きな意味を持つ。

 蔡氏がTPPを重視するのは中国依存型の経済成長モデルを転換したいとの思惑があるからだ。

 台湾の輸出額に占める中国(香港含む)向け比率は2000年の24%から14年に40%に上昇した。対中融和路線の国民党と異なり、民進党は台湾独立を志向しており、政権奪回後は中国との関係がぎくしゃくする可能性がある。中国依存型の経済はリスク要因だ。TPP参加12カ国との貿易額は14年で全体の35%を占めており、参加が実現すれば中国以外の国との貿易の拡大につながる。

 台湾との関係を重視する安倍政権には積極的に接近を図った。蔡氏は野党時代の安倍氏と数回会談し、関係は良好だ。7日に安倍首相の地元の山口県をわざわざ訪問し、工場などを見学した。

 8日には都内で安倍首相と同じホテルに居合わせており、会談したとの観測が浮上した。中国政府が蔡氏の訪日に強く反対しており、蔡陣営は「首相には会っていない」と否定したが、当選後をにらんで安倍氏に日台関係の深化を直接要望したとの見方がくすぶる。

 訪日中は総統選の最大の争点の対中政策については語ることを避けた。中国とは安定的な関係を目指す「現状維持」を表明しているが曖昧な部分も残る。

 総統選で劣勢の国民党は10月、臨時党大会を開く。公認候補を低支持率にあえぐ洪秀柱・立法院副院長(国会副議長)からエース格の朱立倫・党主席に差し替える予定だ。今後は中国との関係を巡って蔡氏が論戦を挑まれる機会が増えそうだ。


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