日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

6502 東芝、世界で資金効率化 4地域別にCFO 投資から回収を素早く

2014年12月18日 | 16.電気機器
〔14.12.18.日経新聞:投資情報面〕

 

 東芝がグローバルで資金の効率化に取り組む。米州や中国など世界4カ所の地域総括会社に最高財務責任者(CFO)を置き、地域ごとに資金の流れを管理する。主力の半導体で競争が激化する中、資金の早期回収が課題になっている。世界各地にある事業会社で資金管理を強化し、2017年3月期にフリーキャッシュフロー(FCF=純現金収支)で1200億円超の黒字を目指す。

 地域総括会社は半期に1度、地域の事業会社と会議を開き資金回収の改善状況などを聞き取る。ファイナンシャル・レビュー・ミーティング(FRM)と呼ぶ取り組みで、資金回収の期間が長い場合は売掛金の早期回収や製品在庫の圧縮といった改善を求める。

 資金の管理にはキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)という指標を使う。地域ごとに集約した情報は本社の社内カンパニーも共有して、全社的に資金効率を高める。

 東芝はブラジルやインドなど新興国での事業拡大に伴い、資金を回収する期間が長期化するケースが増えている。世界規模で資金の管理体制を見直すことで15年3月期のCCCは46日と、前期よりも3日短縮できる見通しになった。FCFの黒字額は800億円強と前期の2倍以上に増える。

 CCCは米アップルが重視していることで知られる指標だ。高いブランド力を背景に資金を迅速に回収し、新たな開発につなげている。公表資料によるとアップルは前期でマイナス18日と製造業としては異例のマイナスだった。これは製品を売る前に前受け金などで資金回収が済んでいる状態を示す。一方で韓国サムスン電子は45日程度と東芝と同水準だった。

 東芝は今期の連結営業利益(米国会計基準)が前期比13%増の3300億円と、25年ぶりの営業最高益の更新を見込んでいる。ただ、主力の半導体事業は大規模な設備投資が必須なため、資金効率を改善して投資余力を高める必要がある。

 サムスンは15兆6000億ウォン(約1兆7000億円)を投じ半導体の新工場を新設する方針を明らかにしている。東芝は今回の取り組みを通じて現金の創出力を高め、有利子負債を抑制しつつ研究開発や設備投資などの資金を賄う考えだ。

▼キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)とは
 お金を使ってから売り上げを回収するまでの日数を指す。製造業なら原材料を買ってから製品を販売し代金を受け取るまでの期間になる。いかに資金を効率よく使っているかを示す指標で、日数が短いほど資金繰りが楽になる。会社によって定義は異なるが、一般に売掛金と在庫の合計金額が何日分の売上高に相当するかという回転日数を計算し、そこから買掛金の回転日数を引いて求める。CCCが短いほど運転資金を圧縮でき財務改善につながる。

※(ブログ主より補足)
キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)=(売掛金の回転日数+棚卸資産の回転日数)-買掛金の回転日数。
=要は「経常運転資金」のことで、短いほど資金繰りが楽(=取引先の資金負担は増加)になります。

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