日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

明治安田や第一生命、貯蓄保険の販売停止 低金利で運用難 保険料上げも

2015年01月11日 | 30.保険業
〔15.1.11.日経新聞:1面〕


 貯蓄型の生命保険の販売を止めたり保険料を上げたりする動きが広がってきた。長期金利が低下し、運用利回りを得にくくなったためだ。明治安田生命保険や第一生命保険などが一部の販売を止めたのに続いて、富国生命保険は一時払いの養老保険と定額年金保険の販売を休止する検討に入った。日本生命保険は2月に一時払い終身保険の保険料を上げる。銀行預金に代わる個人マネーの受け皿となっていた保険商品にも金利低下の影響が及んできた。

 販売停止が相次ぐのは保険料をまとめて一時払いする商品で、終身ではなく一定期間、運用するタイプだ。2014年10月に明治安田生命が一時払い個人年金保険、第一生命とソニー生命保険は一時払い養老保険の取り扱いを中止した。

 14年10月の日銀の追加緩和で生保が主な運用先としてきた超長期国債の利回り低下(価格は上昇)が加速。国債に投資し続けると、運用利回りが契約者に約束した利回り(予定利率)を下回る逆ざやに陥る懸念がある。

 一時払いの養老保険や年金保険は運用商品としての魅力が薄れており、すでに取り扱いをやめている生保もある。販売を続けている富国生命保険なども取り扱い中止を検討する。

 一方、退職金の運用などで人気がある一時払い終身保険は各社の主力商品の一つ。養老保険などと比べて平均の運用期間が長い。販売中止の動きは今のところ限られるが、日本生命は2月から保険料を引き上げる。50歳の男性が死亡保険金500万円の契約をする場合、現行約407万円の保険料が413万円になる。他の生保も追随して保険料を上げる可能性がある。

 ソニー生命が14年11月に一部の学資保険の販売を停止するなど、毎月払いの保険にも影響が出ている。

 生保各社の保険料の水準や販売停止の判断には、金融庁が計算式を定める生命保険の標準利率(総合・経済面きょうのことば)が影響する。15年4月以降に募集する一時払い年金保険や養老保険の標準利率は現行の1%から0.5%に下がる。

 一時払い終身保険の標準利率もいまの長期金利の水準が続けば7月に下がる。標準利率が下がると、予定利率を見直して保険料を上げる生保が多い。

 預金金利がゼロ近辺に張り付くなかで、一時払いの貯蓄型保険は個人マネーの受け皿になってきた。1月から課税強化された相続税対策としても人気がある。販売停止や保険料上げは個人の運用には逆風となる。


貯蓄型保険とは
 保障よりも貯蓄に重きを置く生命保険商品。養老保険は一定の期間中に亡くなれば死亡保険金、亡くならなくても満期保険金を受け取れる。個人年金保険は一定の年齢に達すると年金を受け取れる。終身保険は保険金が出るのは死亡時だが、一定の期間がたつと払い込んだ保険料を上回る解約返戻金が受け取れる。

 契約を結んだ時点で保険料をまとめて払い込む一時払いと、毎月など平準払いの商品がある。

きょうのことば「生命保険の標準利率」 契約者に約束する利回り基準


▽…生命保険会社が契約者に約束する運用利回り(予定利率)の基準。国債の利回りを基に決める。標準利率が下がると、生保は将来の保険金支払いに備える責任準備金を積み増す必要が出てくる。このため利益が減らないよう契約者から受け取る保険料を上げる生保が多い。金融庁が計算式を定めており、一時払い年金保険や養老保険などは10年物国債の利回りを基に決める。

▽…現行の標準利率は1%。一時払い年金保険などは4月から0.5%に下がる。改定は13年4月以来、2年ぶりになる。1996年の導入後、長期金利の低下に伴い下がり続けている。4月の引き下げは貯蓄型保険の計算方式を変えた影響が大きい。足元の長期金利を反映するため、10年物国債の過去3カ月と過去1年間の平均利回りを使うよう計算式を見直した。従来は10年物の国債の過去3年と過去10年間の平均利回りを使い、金利が短期間に急低下しても影響を受けにくかった。

▽…運用商品として人気の高い一時払い終身保険の標準利率の計算は10年物と20年物の国債利回りに基づき、4月の改定では1%で据え置く。20年物国債の金利が10年物と比べると高いからだ。金利低下が続けば7月の改定時に下がる可能性が高い。毎月払いの保険は利率の算定に使う国債利回りの平均期間などが異なり、15年の改定で標準利率は変わらない。

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