日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

「ドライ」多品種へ舵 2502 アサヒが派生商品3種投入 縮む市場 若者など開拓

2015年01月07日 | 4.食料品
〔15.1.7.日経新聞:消費Biz面〕


 アサヒビールは6日、2015年のビール系飲料の販売計画を発表した。主力の「スーパードライ」ブランドから期間限定の派生商品を2月以降に3種発売し、夏以降も商品の追加を検討する。スーパードライは業界で圧倒的なトップブランドで商品数の拡大には慎重だったが、ビール市場の縮小が続く中、多品種戦略に舵(かじ)を切り若者など新たな需要を開拓する。

 15年の販売計画ではスーパードライのブランド全体で前年比0.8%増の1億700万ケース(1ケースは大瓶20本換算)を見込む。3つの新商品で5月末までに305万ケースの販売を想定する。同日記者会見した小路明善社長は「消費の多様化に対応して、ブランド力をさらに強化する」と強調した。

 3月31日に「スーパードライ エクストラシャープ」(350ミリリットル、225円前後)を売り出す。氷点下でろ過する独自製法を導入したほか、アルコール度数も通常より高い5.5%に設定。「超辛口」をうたい冷涼感やキレを強調した。まず2カ月程度販売するが、売れ行き次第で定番化も視野に入れる。

 2月24日にはスーパードライでパッケージにピンク色や桜のデザインを取り入れた限定品(同、同)を発売する。花見などの「コト消費」に対応しながら若者やカップルに売り込む。2月17日には香ばしいコクを強調した「煎りたてコクのプレミアム」(同、255円前後)も売り出す。

 スーパードライはピークには年間約1億9千万ケースを売り上げた。単一ブランドを大量生産・販売する事業モデルがアサヒの効率経営を支える。

 ただ14年まで10年連続で縮小するビール系飲料の市場の流れとともに、スーパードライの販売量もピークの5割超に落ち込み1億ケースの大台割れも現実味を帯びる。若者のビール離れやワインやハイボールなど酒の好みの多様化が影響している。

 アサヒは長年、ブランド力の拡散を懸念してスーパードライの派生商品を封じてきた。だが消費市場での存在感の低下に危機感は強く、12年以降は黒ビールや高級ビール「ドライプレミアム」を発売してきた。小路社長は「夏ごろまでの販売状況をみながら随時、派生商品の投入を考えたい」と、多品種戦略を加速する考えを示した。

 キリンビールの発泡酒「淡麗」、サントリービールの第三のビール「金麦」のように派生商品を積極的に展開しているブランドもある。だがキリンの「一番搾り」やサッポロビールの「黒ラベル」のように通常のビールで各社の最大ブランドでは派生商品の投入に慎重な例が多い。スーパードライはアサヒビールの売上高の過半を占める。こうした基幹ブランドから多様な商品を出すのは異例だ。

 政府・与党が第三のビールの増税など酒税見直しを検討する中、ビール各社は商品戦略の再構築を迫られる。主力ビールのマーケティングの成否が業績を大きく左右することになりそうだ。

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