〔15.3.18.日経新聞:投資情報面〕
生産現場の効率化を徹底するなどでコスト削減(千葉市のJFEスチール東日本製鉄所)
JFEホールディングスの2016年3月期の連結経常利益は、今期予想から3割強増えて3000億円程度になりそうだ。国内の機械や建設向けを中心に鋼材需要は緩やかに回復する。原材料の鉄鉱石が安値で推移し、鋼材の利幅は改善した今期並みを維持する見通しだ。原料の在庫評価損など今期の一時的な損失がなくなるほか、コスト削減も利益を押し上げる。
岡田伸一副社長が日本経済新聞の取材で明らかにした。収益のカギを握る国内需要は14年後半にやや減速したが「消費増税の影響から緩やかに改善に向かい、来期は総じて底堅く推移しそうだ」という。単独の粗鋼生産量は今期並みの3000万トン弱を想定しているようだ。
機械や造船、建設・土木などが需要を下支えする見込みだ。自動車メーカーは国内で減産に動いているが「生産台数自体はまだ高い水準にある」とし、鋼材価格にとって大きなマイナス要因にはならないという。
今期の経常利益は前期比27%増の2200億円を見込むが、原料価格の下落による在庫評価損など一時的な要因が経常利益を450億円押し下げる。来期はこれがほぼなくなるほか、コストを約400億円削減する見通し。老朽設備の更新などで生産効率を高め、原材料の使用量を抑える。
鉄鋼以外のエンジニアリング事業と商社事業も堅調に推移しそうだ。エンジニアリング事業の今期の受注額は前期比23%増の4500億円と過去最高を見込み、来期以降に収益貢献する。
来期の懸念材料は中国メーカーの過剰生産による鋼材需給の悪化だ。アジア市況の低迷が深刻化すれば、JFEをはじめとした日本の鉄鋼メーカーの収益にも影響を及ぼしそうだ。
生産現場の効率化を徹底するなどでコスト削減(千葉市のJFEスチール東日本製鉄所)
JFEホールディングスの2016年3月期の連結経常利益は、今期予想から3割強増えて3000億円程度になりそうだ。国内の機械や建設向けを中心に鋼材需要は緩やかに回復する。原材料の鉄鉱石が安値で推移し、鋼材の利幅は改善した今期並みを維持する見通しだ。原料の在庫評価損など今期の一時的な損失がなくなるほか、コスト削減も利益を押し上げる。
岡田伸一副社長が日本経済新聞の取材で明らかにした。収益のカギを握る国内需要は14年後半にやや減速したが「消費増税の影響から緩やかに改善に向かい、来期は総じて底堅く推移しそうだ」という。単独の粗鋼生産量は今期並みの3000万トン弱を想定しているようだ。
機械や造船、建設・土木などが需要を下支えする見込みだ。自動車メーカーは国内で減産に動いているが「生産台数自体はまだ高い水準にある」とし、鋼材価格にとって大きなマイナス要因にはならないという。
今期の経常利益は前期比27%増の2200億円を見込むが、原料価格の下落による在庫評価損など一時的な要因が経常利益を450億円押し下げる。来期はこれがほぼなくなるほか、コストを約400億円削減する見通し。老朽設備の更新などで生産効率を高め、原材料の使用量を抑える。
鉄鋼以外のエンジニアリング事業と商社事業も堅調に推移しそうだ。エンジニアリング事業の今期の受注額は前期比23%増の4500億円と過去最高を見込み、来期以降に収益貢献する。
来期の懸念材料は中国メーカーの過剰生産による鋼材需給の悪化だ。アジア市況の低迷が深刻化すれば、JFEをはじめとした日本の鉄鋼メーカーの収益にも影響を及ぼしそうだ。