日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

米国産コメ輸入拡大 主食用数万トン TPP歩み寄り 米は車安全基準の緩和要求撤回

2015年01月25日 | 国内:経済政策
〔15.1.25.日経新聞:1面〕
 

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉のカギを握る日米協議で、日本が米国産の主食米の輸入を拡大する妥協案を出していることがわかった。関税ゼロで受け入れるコメの輸入枠(総合・経済面きょうのことば)を広げ、年間数万トンを追加輸入することで調整する。米国が日本に輸入車の安全基準を大幅に緩和させる要求を取り下げたことも判明した。日米協議が今春の合意をめざして前進し、12カ国全体の交渉妥結に向けた機運も高まりそうだ。(関連記事国際面に)

 森健良経済外交担当大使ら日本の交渉団が1月28日から米ワシントンで米通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行らと細部を詰める。米国の自動車部品関税の撤廃時期なども調整する。

 コメの輸入拡大は日本にとってTPP交渉で最大の懸案だ。現在は無税でコメを輸入する「ミニマムアクセス(最低輸入量)」の年間77万トンの枠内で米国産主食米を数万トン輸入している。米国は約20万トンの受け入れを求めたが、日本政府は「数万トンの追加輸入が限界」と主張している。2~3月をめどに甘利明経済財政・再生相がフロマンUSTR代表と会談し、双方が折り合える水準を詰める。ミニマムアクセスの枠内で米国産主食米を優遇する案が有力だ。コメの関税は維持する。

 コメの国内生産量は年750万トン以上あり、米価への影響は限られるが、オーストラリアなども主食米の受け入れを要求する可能性がある。

 米国は日本が自動車を輸入する際の安全・環境基準の緩和要求を取り下げた。これまで自動車の安全や排気量区分、環境性能など日本の設ける規制を緩め、米国の基準を満たすだけで輸入できるよう求めていた。日本が到底受け入れられない要求が撤回され、日本政府内には「米国が合意に向けて前向きになった」との見方が出ている。

 日米協議の残る焦点は米国が輸入自動車部品にかける関税を撤廃する時期や、米国の日本車輸入や日本の牛・豚肉輸入が急増した時に、関税を上げる緊急輸入制限(セーフガード)を発動する条件などに絞られた。

 TPP交渉はオーストラリアやカナダなど環太平洋12カ国が参加。経済規模が全体の約8割に及ぶ日米の交渉進展が起爆剤となり、全体交渉の加速にもつながりそうだ。

▽コメ輸入枠 年77万トン、加工・飼料用多く
 

▽…海外から関税ゼロでコメを輸入する特別枠のこと。最低輸入量(ミニマムアクセス)と呼ばれ、毎年77万トンを受け入れている。2013年度の主な輸入先は米国(36万トン)、タイ(35万トン)、オーストラリア(4万トン)。中国は13年度はゼロだったが、おおむね毎年数万トンを輸入してきた。せんべいなどの加工用や家畜の飼料用に使われることが多く、主食米は10万トン程度にとどまっている。

▽…日本は戦後コメ農家を育成するために原則としてコメの輸入を拒んできた。ところが1980年代後半から米国からコメの輸入自由化を求める声が強まった。93年、世界貿易機関(WTO)の前身ガット・ウルグアイ・ラウンドの場で、日本はコメの特別枠をつくって関税ゼロで受け入れる国際的な取り決めを交わした。コメに関税は設けず、特別枠以外のコメは受け入れないことになった。

▽…1995年は国内消費の5%に満たない38万トンを関税ゼロで輸入したが、輸入量は毎年増やす約束で、2000年には85万トンまで増える予定だった。政府は1999年にコメの関税化を容認する一方、無税の輸入枠の拡大に歯止めをかけた結果、毎年77万トンの輸入量で固定されることになった。

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