日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

5020 JX、全国で水素供給 2000スタンドに導入 低コストで生産・輸送

2014年12月22日 | 9.石油・石炭製品
〔14.12.22.日経新聞:1面〕



 JX日鉱日石エネルギーは燃料電池車(FCV)の燃料となる水素を全国に供給する体制を整える。2020年をめどに国内10拠点で水素を生産する。販売面では主要な約2千店を対象に順次、水素スタンド(総合・経済面きょうのことば)を導入する。全国規模の供給体制を整えて、課題とされる地方での水素スタンドの新設に弾みを付ける。FCVの普及を後押ししそうだ。

 JXエネは12月下旬に第1号の水素スタンドを神奈川県海老名市の給油所内に開く。首都圏を中心に15年度末までに40カ所を整備する計画だ。今後、FCVの普及動向をにらみながら水素の貯蔵タンクや充填機などが設置可能な約2千店を対象に順次、水素スタンドの併設を進めていく。

 製造・輸送では新技術の導入でコストを現行の半分以下に抑える。

 18年をめどに低コストで水素を製造する技術を開発する。国内の全7製油所を含む10の生産拠点に順次導入し、北海道から九州まで全国に供給できるようにする。

 現在、水素は石油や天然ガスなどから取り出すほか、鉄鋼や化学品の製造過程で出る排ガスの中に多く含まれる。排ガスからは触媒などを使って不純物を分離し、水素を取り出している。新技術では特殊な膜で不純物を効率的に取り除き、水素の回収率を現行の約7割から9割近くに高める。

 水素を常温・常圧の液体で運ぶ新技術も実用化する。高圧で圧縮し、ガス状で運ぶ現行方式に比べ1回あたり2.5倍の量を運べる。ガソリンや軽油を運ぶ既存のタンクローリーや内航船を活用できるため、輸送のための投資も減らせる。

 FCVは今月15日にトヨタ自動車が世界初の市販車「ミライ」を発売したほか、ホンダも15年度に投入する予定だ。トヨタは20年代を普及期と位置づけている。

 ただ、水素の製造・輸送やスタンド設置費などのコストが重いことも課題だ。水素スタンドを運営する岩谷産業は水素1キログラム当たり1100円で販売。高級セダンベースのハイブリッド車と同程度の燃料費負担になる価格設定だが、当面は採算割れだという。このため、政府は水素スタンドの規制緩和で設置費用を20年をめどに半減させる方針を打ち出している。

 出光興産による昭和シェル石油への買収交渉がまとまれば、ガソリン販売のシェアで首位のJXに迫るライバルが誕生する。また、国内のガソリン事業などは縮小が見込まれ、今後はエコカーの普及に対応した新規事業の育成がエネルギー産業で活発になりそうだ。

〔14.12.22.日経新聞:総合・経済面〕
水素スタンド 固定式と移動式の2種類

 
▽…燃料電池車(FCV)に燃料である水素を供給するための拠点。固定式と移動式の2種類があり、固定式は既存のガソリンスタンドのなかに併設されるケースが多い。移動式は大型トレーラーのなかにFCVに供給するための水素圧縮機や蓄圧機などを搭載している。3分程度でフル充填でき、トヨタ自動車が発売したFCV「MIRAI(ミライ)」は約5キログラムの水素で700キロメートル程度走行できるという。

▽…水素は石油や天然ガス、石炭など化石燃料から取り出す方法と、水を電気分解する方法が主流だ。石油から水素を作る場合、高温で水蒸気と反応させて水素や一酸化炭素を含むガスを作った後に水素だけを取り出す。化石燃料を使う方が水を電気分解するより安価で済む。日本の製油所や製鉄所では大量の水素を作る装置を持っており、FCV用の燃料として有効活用できる。一方、海外では大規模太陽光発電所(メガソーラー)で余った電気を使って水素を有効活用する方法も検討されている。

▽…課題は高額なインフラコストだ。1カ所当たりの設置費用は4億~5億円とされ、経済産業省ではFCVの普及に向けスタンドの設置費用の約半分を補助金で負担している。トヨタやホンダと同省がスタンドの運営費を一部負担する計画も進む。


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