〔15.3.11.日経新聞:マーケット総合2面〕
日本製紙株が10日、大幅続落し、一時前日比5%安の1944円と、ほぼ1カ月ぶりの安値をつけた。洋紙の需要低迷と証券会社の投資判断引き下げ、さらに7年8カ月ぶりの水準まで円安が進んで採算悪化の懸念が広がった。売買代金は前日比7割以上増えて1年3カ月ぶりの多さ。終値は4.4%安で、日経平均採用銘柄の中で下落率が最も大きかった。
日本紙は売上高に占める洋紙の比率が6割前後と業界大手の中で最も高い。電子化の流れで洋紙需要は低迷しており、業界団体によると1月の国内出荷は前年同月比4%減。同社は採算改善へ値上げを進めているが、これで需要がさらに冷えこむとの指摘もある。円安になるとドル建てで輸入する木材チップなど原燃料価格の上昇に直結し、1円の円安で年間8億円の営業減益要因になる。
9日付で投資判断を3段階中の2(中立)から3(最下位)へ引き下げたSMBC日興証券は、「来期の利益の伸びが鈍くなる」(岡芹弘幸シニアアナリスト)と言う。同業他社に比べて海外展開が遅れ気味で、収益の国内依存度が高い点が逆風とみている。
相場全体の上昇に連れ高してきたが、「来期の収益動向などを慎重にみれば、今後は上値が重くなる」(カブドットコム証券の河合達憲チーフストラテジスト)との声が出ている。
日本製紙株が10日、大幅続落し、一時前日比5%安の1944円と、ほぼ1カ月ぶりの安値をつけた。洋紙の需要低迷と証券会社の投資判断引き下げ、さらに7年8カ月ぶりの水準まで円安が進んで採算悪化の懸念が広がった。売買代金は前日比7割以上増えて1年3カ月ぶりの多さ。終値は4.4%安で、日経平均採用銘柄の中で下落率が最も大きかった。
日本紙は売上高に占める洋紙の比率が6割前後と業界大手の中で最も高い。電子化の流れで洋紙需要は低迷しており、業界団体によると1月の国内出荷は前年同月比4%減。同社は採算改善へ値上げを進めているが、これで需要がさらに冷えこむとの指摘もある。円安になるとドル建てで輸入する木材チップなど原燃料価格の上昇に直結し、1円の円安で年間8億円の営業減益要因になる。
9日付で投資判断を3段階中の2(中立)から3(最下位)へ引き下げたSMBC日興証券は、「来期の利益の伸びが鈍くなる」(岡芹弘幸シニアアナリスト)と言う。同業他社に比べて海外展開が遅れ気味で、収益の国内依存度が高い点が逆風とみている。
相場全体の上昇に連れ高してきたが、「来期の収益動向などを慎重にみれば、今後は上値が重くなる」(カブドットコム証券の河合達憲チーフストラテジスト)との声が出ている。