日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

鹿島、3Dで工事管理 図面作製の効率化、全面導入 技術者不足に対応

2015年09月04日 | 3.建設業
(日経9/4:企業面)
 鹿島は2015年度中にビルなどの全建築工事をコンピューター上に作成した立体(3D)画像で管理する体制に切り替える。従来の2次元データによる管理に比べて、図面作製に携わる技術者を半分に減らせる。20年開催の東京五輪に向けて建設作業が急増し、技術者不足が懸念されることから、最新のIT(情報技術)の活用による業務の効率化を急ぐ。

 立体画像で工事を管理する手法は「BIM」と呼ばれ、建設業界の世界的な潮流として活用が広がっている。BIMへの全面移行は日本の総合建設会社(ゼネコン)では鹿島が初めて。まず作業中の工事と内定している工事、約800件について新手法で作業する。

 日本で発注者と打ち合わせた2次元の設計図を基に、韓国、フィリピン、インドの専門会社でBIMのデータを作る。これを基に鹿島のグループ会社が「施工図」と呼ばれる工事で使う詳しい図面を作り、現場にいる担当の技術者が修正する。

 従来型の2次元の図面だと「柱の寸法を変える」といった変更がある場合に、7種類程度の図面を同時に書き直す必要があった。BIMは一部を変えると、自動的に必要な箇所の寸法を直す。

 施工図を作る技術者の数は大規模な工事だと100人を超えるが、BIMでは約50人で済む。手の空いた技術者を別の現場に回し、増える業務に対応できるようにする。

 発注者には完成形をイメージしやすい立体画像で提示できるため、設計図や変更の承認を得やすくなる。従来は2カ月かかる例もあったが「最短1日で済むようになる」(建築管理本部)。

 施工図のデータなどはクラウドコンピューター上にあげる。下請けの工事業者にもアクセスできるソフトを配り、設計変更などの情報をリアルタイムで共有する。2次元の図面だと修正するのに時間がかかり、変更する前の図面を基に工事してしまい、やり直しが必要になる例もあった。

 建物の細部のデータも簡単に取り出せるため、メンテナンスも効率化できる。コンクリート型枠や鉄骨の加工業者と連携し、BIMデータを基に各部材を加工できる体制もつくる。

▼BIM
 ビルディング・インフォメーション・モデリングの略。コンピューター上に建物の立体画像を再現できる、いわば3次元の設計図。幅や奥行き、高さに限らず、各箇所に使っている建材の素材や、組み立てる工程なども盛り込め、必要に応じてデータを引き出せる。部屋に取り付けるエアコンのメーカーや品番など設備の情報も詳しく入れられるため、メンテナンスにも使える。


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