日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

FRB、ドル高警戒 経済に重荷 市場「9月利上げ」観測

2015年03月20日 | 金融:中央銀行・国際金融機関
〔15.3.20.日経新聞:総合2面〕


 【ワシントン=矢沢俊樹】米連邦準備理事会(FRB)は18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、声明から利上げに「忍耐強くなれる」との表現を削除した。最短で6月の利上げに道を開いた形だが、肝心の景気情勢についてはドル高による輸出鈍化などから判断を下方修正した。FRBはドル高の影響を注視しながら利上げ時期を慎重に見極める構えだ。

 「機が熟さない段階ではしたくない。だが後手に回るのも望まない」

 イエレンFRB議長は18日の記者会見で、市場が注目する利上げ時期について慎重に言葉を選んだ。歯切れが悪いのは、FOMCメンバーが同日改定した成長率やインフレ率の見通しが、昨年12月から市場の予想を超えて悪化したからだ。

 懸案のインフレ率の2015年見通しは中心的な値で1%を割り込み、価格変動の激しいエネルギーや食料を除いた基準でも1.3%程度に下がった。イエレン氏は中期の期待インフレ率は2%で揺らがないと指摘した一方、長期デフレに見舞われた日本の経験に言及するなど低インフレに強い懸念をのぞかせた。

 「純輸出(の悪化)が今年の経済見通しにおいて顕著な障害だ」

 イエレン氏は最近のドル高が米企業の輸出競争力をそぎ、成長率を押し下げる要因になると認めた。FOMCメンバーの米経済成長率見通しも15年は2.3~2.7%にとどまり、最大3%成長を見込んでいた昨年12月の勢いは後退した。イエレン氏はドル高でも米経済は潜在成長力を上回る成長が可能と強調したが、米産業界からの風当たりは強まる一方だ。利上げの判断に議会から逆風が吹きつける可能性もある。

 「大半のメンバーは長期的な失業率見通しをやや下げ、政策金利の予想も引き下げた」

 市場にとってのサプライズは、FRBが今回、完全雇用状態を示す長期的な失業率の水準を昨年12月の5.2~5.5%から5.0~5.2%に引き下げたことだ。すでに失業率は5.5%まで下がり、これまでの基準からみれば米経済は完全雇用の領域に足を踏み入れていた。

 見通しの修正はさらに失業率が下がらないと、肝心の賃金への上昇圧力が高まってこないとみるメンバーが増えたことを映す。15年末の政策金利予測も急低下した。

 「緩和継続の余地が広がった」(大和キャピタル・マーケッツ・アメリカのモラン氏)。声明発表と議長会見を受け、6月と9月でほぼ拮抗していた利上げ時期を巡る市場予想は9月以降に傾いた。早期利上げ観測の後退を受け、18日の米株式市場で大幅に反発したダウ工業株30種平均は、19日は売りが先行して始まった。

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