日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

資本純輸出国に転じる中国

2015年01月04日 | 中国
〔15.1.4.日経新聞:日曜に考える4面〕

 2015年は人民元の対ドル相場をめぐる一つの構造変化が予想される。中国の対外直接投資が対内直接投資を上回り、「資本の純輸出国」になる公算が大きいのだ。

 中国商務部の統計によると、14年1~11月の対内直接投資額は1062億ドルと前年同期比0.7%の微増にとどまった。中国の景気減速や労働コスト上昇などを背景に日本からの投資が4割近く落ち込んだのをはじめ、米国や欧州連合(EU)からの投資も減少したためだ。一方、同期間の対外直接投資額は同11.9%増の898億ドルと伸びており、対内直接投資との差は縮まっている。

 15年は逆転が視野に入る。習近平指導部は「走出去(海外に打って出る)」のスローガンを掲げて、中国企業による対外進出を積極的に後押ししている。国務院(政府)は昨年12月24日、両替の事前登録制など中国企業が海外投資に必要な外貨を調達する際に課していた各種規制を縮小・廃止すると決めた。

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立、陸と海の2つの「シルクロード経済圏」構想など域内のインフラ整備促進策も、中国企業の海外進出に活用されるのはほぼ確実だ。外貨準備の運用を米国債に依存する現状を見直し、投資を分散する思惑も見え隠れする。

 これまで中国人民銀行(中央銀行)は巨額の貿易黒字や対内投資超過による人民元の上昇圧力を抑えるために、資本取引を厳しく規制し、為替相場への介入を繰り返してきた。だがソシエテ・ジェネラルの中国担当エコノミスト、姚煒氏は「よりバランスのとれた国際収支は、人民元が経済データや資本の流れに応じて変動する『普通の通貨』に近づくことを意味する」と指摘する。

 習指導部にとって通貨政策でも人民銀による操作のない「新常態(ニューノーマル)」を探る年になりそうだ。 

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