日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

動画広告で火花 フェイスブックVS.グーグル 配信広げ量確保/360度自在 新映像

2015年08月25日 | コンテンツ・商標
(日経8/25:グローバルBiz面)
 急成長するインターネットの動画広告を巡り、米ネット大手が火花を散らしている。グーグルは傘下の動画共有サイト「ユーチューブ」で360度の映像を体験できる新型広告を開始。フェイスブックは動画広告の配信先を提携する外部のスマートフォン(スマホ)アプリにも広げた。動画広告市場は2017年に3兆円に迫る勢いで、主導権争いが激しさを増してきた。


スマホやパソコンで360度の映像が楽しめるユーチューブの新型CM

月10億人が利用
 グーグルはユーチューブで動画を再生する際に流すCMで、7月から新型広告の提供を始めた。主にスマホやタブレットでの視聴を想定、端末を好きな方向に向けると前後左右と上下360度の映像を楽しめる。第1弾としてビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)が「バドライト」のCM3本の配信を始めた。

 広告収入が大半を占めるユーチューブの売上高は推定40億ドル。毎分300時間分といわれる膨大な量の投稿動画を管理するための設備投資が先行し、損益はトントンとみられる。だが、世界で毎月10億人以上が利用する同サイトの広告媒体としての価値は高まっている。

 テレビに比べ制約が少なく、新しい技術や表現方法を試しやすいのが動画広告の強み。360度CMも「従来とは違うブランド体験を提供できる」(ABインベブ)と、広告主の評価も高い。グーグルは動画広告市場におけるユーチューブの先行優位を維持するため、新技術の導入にも積極的に取り組む。

1日40億回視聴
 ユーチューブを猛追するのが、世界で約15億人が利用する交流サイト(SNS)最大手のフェイスブックだ。友人が投稿した動画や動画広告が「ニュースフィード」上に表示されると自動的に再生する機能を13年末に導入した結果、今年4月には1日の平均視聴数が40億回を突破。ユーチューブの有力なライバルに浮上した。

 フェイスブックの広告は利用者の性別や年齢、趣味、関心などのデータを基に精緻なターゲティングができるのが強み。テレビなどより的確に、狙った消費者に配信できる。米自動車大手のフォード・モーターは米国に住む18歳以上のヒスパニック系を狙い、スペイン語の動画広告を制作。フェイスブックで配信したところ対象人口の4人に1人に広告を見てもらうことに成功したという。

 動画広告の配信は当初、フェイスブック本体のみだったが、昨秋からは3億人の利用者を抱える傘下の写真共有アプリ「インスタグラム」でも開始。今月11日には提携する外部のアプリにも配信先を広げた。ターゲティングによる広告の「質」に「量」を加えることで、企業のテレビ広告費を取り込みたい考えだ。

 英調査会社ゼニスオプティメディアによると15年の動画広告市場は162億ドルと前年比で29%拡大する見込み。その後も20%程度の成長を続け、17年には237億ドルに達するとみる。成長市場に着目するのはグーグルとフェイスブックばかりではない。世界で3億人が利用する米ツイッターは13年に動画広告の提供を始めた。今月20日にはフェイスブックと同様、提携する外部のアプリに配信先を広げている。

 短時間で消える写真や動画を共有するアプリが若い世代に人気の米スナップチャットは6月、スマホを縦向きにしたままで見るのに最適化した動画広告「3V」を発表。広告世界最大手の英WPPなどと合弁会社を設立するなど、各社が市場開拓に力を入れている。  (シリコンバレー=小川義也)

▼子供はテレビよりタブレット? ネット視聴、17年7.3億人
 メディア業界には新聞や雑誌、ラジオなどが次々とネット広告にシェアで抜かれても、世界の広告費の4割を握るテレビは別格との見方が最近まであった。だが、ネット動画の急速な普及は、そんな楽観論を吹き飛ばしつつある。

 英調査会社ゼニスオプティメディアの予測では、2015年のテレビ視聴者数(主要40カ国・地域)は11億3500万人で前年比3%増えるものの、16年には2%のマイナスに転じ17年はさらに1%減る。

 一方、ネット動画の視聴者数は17年には7億3200万人と、12年と比べ倍増する見通しだ。1本数十秒から数分の短い動画は米グーグル傘下の「ユーチューブ」や米フェイスブック、それより長いドラマや映画では米ネットフリックスや米フールーといった配信サービスが急成長しているためだ。

 場所を選ばずいつでも動画を見られるスマートフォン(スマホ)や「LTE」など高速ネット接続サービスの普及も大きい。ユーチューブで再生される動画の半数はスマホやタブレットで見られている。フェイスブックの動画視聴の伸びも、モバイル端末がけん引している。

 米マイナー・アンド・カンパニー・スタジオの2~12歳の子供を持つ父母計800人が対象の調査では、57%が子供はテレビよりスマホやタブレットで動画を見るのを好むと回答。子供が悪さをした場合、ほぼ半数が罰としてタブレットを取り上げ、テレビを見せると答えた。

 ロバート・マイナー最高経営責任者(CEO)は「『テレビは罰』ととらえる世代が生まれつつある」と指摘する。

 「マネーはアイボール(目玉=視聴者)を追いかける」というメディア業界の法則に従うのなら、広告費の「テレビ離れ」が本格的に始まるのも時間の問題といえそうだ。


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