日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

フィリピンで電力不足深刻 供給能力追いつかず 今春に輪番停電も

2015年01月05日 | 東南アジア(ASEAN)
〔15.1.5.日経新聞:国際面〕

 【マニラ=佐竹実】フィリピンで電力不足が深刻化している。電力各社は能力増強を急ぐが、建設中の発電所の多くは完成が数年後だ。2015年前半には発電所のメンテナンスに伴う運転停止で、輪番停電の実施も現実味を帯びている。5%以上の成長が続くフィリピン経済の大きな課題になっている。

 国全体の総出力の2割弱を占める複合企業のサンミゲルは計90万キロワットの発電所を建設中。アボイティスなど他の大手も発電所建設を進めているが、完成はいずれも16年以降だ。

 設備増強の遅れに重なるのが15年前半に予定する主要発電所のメンテナンスだ。マニラ首都圏があるルソン島では、同島の電力供給の4割を占める天然ガス火力発電所へのガス供給が止まる予定のほか、他の主要発電所も点検整備に入る。

 比エネルギー省は今年3~5月にルソン島で最大約100万キロワット分の電力が不足すると試算している。対応策として、1日2~3時間程度の輪番停電を実施する可能性があるという。政府はショッピングモールなど大口需要家に自家発電を促すなど「電力制限プログラム」の実施を検討しているが、詳細は固まっていない。マニラ郊外の工業団地に入居する日本企業の関係者は「工場の輪番停電の優先順位は低いと聞いているが、実態が分からず不安だ」と言う。

 フィリピンでは、経済成長にともない30年には約3千万キロワットの発電能力が必要と見込まれているが、現状は1700万キロワット程度。発電能力が約200万キロワットの南部ミンダナオ島では停電が常態化している。

 フィリピンは01年から段階的な電力事業の民営化に着手した。地元企業に加え、丸紅や東京電力などの日本企業も発電所建設を進めてきたが、需要の伸びに追いついていない。かつての経済停滞期にインフラ整備が遅れたツケが回っている。

 発電用燃料の確保にも懸念が残る。比最大のガス田であるマランパヤガス田は、あと10年ほどで枯渇するとされる。天然ガス開発計画も、南シナ海での中国との領有権争いで探査すら進んでいない。

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