日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

香港長江実業、グループ再編 不動産・複合事業2社に

2015年01月10日 | 台湾・香港
〔15.1.10.日経新聞:アジアBiz面〕


 【香港=粟井康夫】香港の大型複合企業、長江実業集団は9日、グループ再編策を発表した。傘下のハチソンワンポア(和記黄埔)と合併したうえで、不動産事業とそれ以外の事業に大きく二分する。度重なるM&A(合併・買収)で複雑になった資本関係を整理し、企業価値向上や資金調達の効率化を図る。

 グループ内の大型再編は長江実業が英国系財閥だったハチソンを買収した1979年以来初めて。アジアを代表する富豪として知られる李嘉誠主席(86)は同日の記者会見で「グループにとって歴史的に重要な一歩だ。株主にとって価値も上がり、将来の企業の発展に有利になる」と強調した。後継者と目される長男の李沢鉅副主席への事業継承とは無関係とした。

 再編では長江実業がハチソンを株式交換方式で買収したうえで、通信からインフラ、エネルギー、小売りまで幅広い事業を担う「長江和記実業」と、不動産・ホテルを中核とする「長江実業地産」の2つの上場企業に分離する。買収額は約3兆円規模に上る見込み。今年上半期中に再編を完了したい考えだ。

 これまでは長江実業とハチソンの2社が持ち株会社としての機能をともに有し、多くの事業が重複していた。一般の株主には事業構造がわかりにくく、長江実業の株価は簿価の8割以下の水準で推移する「コングロマリット・ディスカウント」が生じていた。資本関係の整理で企業価値を高める。新会社は香港取引所への上場を維持する。

 長江実業とハチソンの中核2社の2013年12月期の売上高は合計2732億香港ドル(約4.2兆円)。

長江実業集団の概要:
 李嘉誠氏が1950年に創業した造花の製造会社、長江工業が前身。不動産業などへの多角化を経て、72年に現社名とし香港取引所に上場した。79年には旧英国植民地の経済を支えた大型複合企業、ハチソンワンポア(和記黄埔)を傘下に収めた。

 長江はハチソン株の49.97%を持ち、李氏は両社のトップにあたる主席(会長)を務める。長江の2014年1~6月期の純利益は213億4500万香港ドル(約2880億円)で香港きっての高収益企業だ。

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