〔15.3.20.日経新聞:国際2面〕
【上海=土居倫之】中国人民銀行(中央銀行)が人民元買い・ドル売り介入を積極化している。過度な元安が中国からの資本流出につながることを懸念しているとみられ、17日以降、断続的に介入を実施。19日は人民元の対ドル相場が一時前日比0.65%高まで上昇し、一日の上昇率としては約3年3カ月ぶりの大きさを記録した。
19日の上海外国為替市場で、人民元は一時前日比0.65%高の1ドル=6.189元まで上昇した。2011年12月16日以来の上昇率。終値は同6.1961元と14年末(6.204元)と比べてこれまでの下落から上昇に転じた。
為替の変動は「正常な現象」(周小川総裁)として、日常的な介入を控えていた人民銀が介入に踏み切ったのは、行き過ぎた人民元安を容認しない姿勢を市場に示す狙いがあったとみられる。人民元安は中国の輸出企業の業績を下支えする半面、先高観が薄れることで中国から資本流出を加速させる恐れがあるからだ。
中国の14年10~12月期の金融・資本収支は912億ドル(約11兆円)とさかのぼれる1998年以降、過去最大の赤字だった。
成長減速が鮮明になるなか、金利低下観測が広がっており、利ざや稼ぎを狙った投資マネーが流入する勢いは衰えている。
人民元は14年に対ドルで5年ぶりに下落していた。その後も3月3日に約2年4カ月ぶり安値を付けるなど成長減速を背景に下落基調が鮮明だった。
このため一段の元下落を見込んで元の持ち高を少なめにする銀行関係者が多かった。
市場では「介入をきっかけにした急速な元高で銀行が持ち高調整のため元買いを迫られていることが、元高をさらに加速させている」(中国の銀行の為替担当者)との声が出ている。
【上海=土居倫之】中国人民銀行(中央銀行)が人民元買い・ドル売り介入を積極化している。過度な元安が中国からの資本流出につながることを懸念しているとみられ、17日以降、断続的に介入を実施。19日は人民元の対ドル相場が一時前日比0.65%高まで上昇し、一日の上昇率としては約3年3カ月ぶりの大きさを記録した。
19日の上海外国為替市場で、人民元は一時前日比0.65%高の1ドル=6.189元まで上昇した。2011年12月16日以来の上昇率。終値は同6.1961元と14年末(6.204元)と比べてこれまでの下落から上昇に転じた。
為替の変動は「正常な現象」(周小川総裁)として、日常的な介入を控えていた人民銀が介入に踏み切ったのは、行き過ぎた人民元安を容認しない姿勢を市場に示す狙いがあったとみられる。人民元安は中国の輸出企業の業績を下支えする半面、先高観が薄れることで中国から資本流出を加速させる恐れがあるからだ。
中国の14年10~12月期の金融・資本収支は912億ドル(約11兆円)とさかのぼれる1998年以降、過去最大の赤字だった。
成長減速が鮮明になるなか、金利低下観測が広がっており、利ざや稼ぎを狙った投資マネーが流入する勢いは衰えている。
人民元は14年に対ドルで5年ぶりに下落していた。その後も3月3日に約2年4カ月ぶり安値を付けるなど成長減速を背景に下落基調が鮮明だった。
このため一段の元下落を見込んで元の持ち高を少なめにする銀行関係者が多かった。
市場では「介入をきっかけにした急速な元高で銀行が持ち高調整のため元買いを迫られていることが、元高をさらに加速させている」(中国の銀行の為替担当者)との声が出ている。