日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

(海外メディアから) 動き出す「シルクロード」戦略

2014年12月28日 | 中国
〔14.12.28.日経新聞:日曜に考える4面〕

 中国の「シルクロード」戦略が世界中で動き出した。

 18日付英紙フィナンシャル・タイムズなどは最近の中国について「北極にも海上版シルクロードを延伸しようとしている」と報じた。中国の習近平国家主席は、東アジアから中東、欧州、ロシアにまたがる経済圏やシーレーン構想を打ち出した。シーレーンでは北極海を重要視し、沿岸5カ国のひとつ、デンマークにパンダ2頭の貸与を決めるなど、急接近を試みる。

 20日付英誌エコノミストは地球温暖化の影響で、北極海を中心とした「海上輸送ルートの地球規模での見直しや資源採掘の動きが活発化しそうだ」と指摘した。同誌によれば、北極海周辺の石油埋蔵量は世界の8分の1、天然ガスは4分の1に達する。動き出すロシア。神経をとがらせる北欧や米国。中国はそこに割り込もうという戦略らしい。

 中国の経済外交については11月10日付米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)も「中国が描く新アジア地図はすべての道が北京に通じている」と伝えた。中央アジア、中東へのインフラ投資を進め、それらの地域を結ぶことでできる「シルクロード経済圏」の全貌を検証した。

 興味深いのは戦略が「リアル」にとどまらないことだ。11月に中国政府機関が主催した「世界インターネット大会」。WSJなどによると、中国高官は「(シルクロード経済圏のために準備した)基金はネットインフラの整備にも重点的に振り向けられる」と語った。習主席の言う「ネット強国」に沿った発言とみられている。

 海、陸、サイバー空間で影響力を強めようとする中国。ネット上ではソニー・ピクチャーズエンタテインメントが北朝鮮から攻撃を受け、オバマ米大統領は、北朝鮮がネットインフラを依存する中国に協力を要請している。世界で起きるあらゆる問題に中国が何かしら関わる。そんな予兆を感じさせる事件でもある。 (編集委員 中山淳史)

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