日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

利上げ、9月より先送りを ゴールドマン・サックス チーフエコノミスト ヤン・ハチウス氏

2015年03月13日 | 金融:中央銀行・国際金融機関
〔15.3.13.日経新聞:国際2面〕
 ――2015年の米国の経済成長率をどう予想しますか。
 「3%成長が可能とみている。ドル高は米製造業にとって逆風になるが、個人消費が強い。住宅も上向く。金融危機後に停滞していた成長率は昨年から(2%強の)潜在力を上回る軌道に乗り、今年もそれが続く」

 ――2月の雇用統計も力強い内容でした。米連邦準備理事会(FRB)はどう動きますか。
 「まず今月17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBは(金融政策の運営の道筋を示す)フォワード・ガイダンスを修正するだろう。声明では『利上げの開始まで忍耐強く』という表現を削り、最短で6月のFOMCでの利上げの可能性を残す文言に改めるだろう」

 ――投資銀行最大手のゴールドマン・サックスの判断としても、利上げの予想を6月に前倒ししますか。
 「これまで通り9月の利上げをメーンのシナリオとして維持する。(FRBの目標である)2%を大きく下回っている物価上昇率など、6月の段階では『いま利上げしなければならない』という経済データがそろわないとみる」
 「最近のFRB幹部の発言を聞くかぎり、いずれにせよ9月には利上げしそうであり、それが我々の予想だ。個人的には物価や賃金が停滞している現状では、さらに先送りするのが適切だと考えている」
 「FRB幹部の多くは失業率の低下をみて米経済は『完全雇用状態』に接近していると判断しているのだろう。しかしなお高水準にある正社員希望のパート従業員の存在などを踏まえると、私はそうみていない」

 ――ダウ平均などの主要な株価指数に続いてハイテク株が多いナスダック総合株価指数も、最高値更新が目前です。
 「(ITバブル期の)高値更新はあくまで名目の数字の話だ。バリュエーション(投資指標)は当時に比べて大きく改善した。(株価収益率など)株価に対する利益の裏付けが高まっている。現状、米国株が割安だとは言わない。同時にことさら割高だとも思わない」

 ――世界経済のリスク要因は。
 「欧州債務危機の再燃が懸念材料だ。欧米の金融システムは密接につながっており、例えば中国景気の急減速よりも、米国経済への波及は大きい。ただ基本的に欧州経済には(欧州中央銀行による量的金融緩和の導入など)追い風が吹いており、景気は上向くだろう。問題は危機を引き起こすような政治リスクの存在だ」
 「日本の景気回復については欧州ほどの確信は持てていない。日銀はできるだけのことはやっており、かつてのような臆病な金融政策への批判はない。ただしそれで(デフレからの脱却という)目標を実現できるかどうか、まだ答えは出ていない」

(聞き手はニューヨーク=佐藤大和)

 Jan Hatzius 英オックスフォード大学経済学博士、1997年、ゴールドマン・サックスへ。経済予測で多くの受賞歴。2011年から現職。ドイツ出身、46歳。

※ブログ主補記:最後の回答部分(欧州押し&日本に懐疑的)は相当に御本人の主観が影響しているように思われます。残念。
 

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