日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

パラジウムが高値圏 円建て 米新車販売堅調で在庫減

2015年03月03日 | 素材:貴金属&レア
〔15.3.3.日経新聞:マーケット商品面〕
 
ニューヨーク市場の在庫が03年以来の低水準

 貴金属のパラジウムの相場が上昇した。主用途はガソリン車向けで、米国の自動車販売が堅調で在庫も低水準となったことが相場を押し上げた。円建ての東京市場では為替が円安にふれたことも重なり2014年12月以来の高値となった。生産国の南アフリカ共和国で人件費が大幅に上昇したため、隣国のジンバブエで安定確保を探る動きも出てきた。

 東京商品取引所では2日、1グラム3147円をつけて前日から40円高。再び昨年12月以来の高値水準へ上昇した。国際指標のニューヨーク先物は2日の時間外取引で1トロイオンス820ドル近辺。直近で安値だった1月中旬比で9%高い。

 パラジウムはガソリン車の排ガス触媒に使われる。米国ではガソリン安を背景に1月の新車販売台数が前年同月比14%増になった。大気汚染に対応して環境規制を強める中国からの引き合いも強く、パラジウムは慢性的な供給不足になっている。

 需給判断の参考となるニューヨーク市場のパラジウムの在庫水準は約19万トロイオンスで03年10月以来の低水準。14年に南アの鉱山でストライキが発生して以降、急速に在庫が減った。14年の年初と比べ3分1になっている。

 世界供給の3割超を占める南アではストの妥結で人件費が上昇した。労使合意では今後も継続的に賃上げを実施することになっている。足元でパラジウムの価格が1トロイオンス1000ドル前後にならないと、生産者の採算は合わないという。

 南アと国境を接するジンバブエで生産を増やす動きが出てきた。資源会社のインパラ・プラチナムは「今は南アが4、ジンバブエが1の生産比率。ジンバブエの量を増やして、将来的には南アと同じ規模にする」と説明する。

 南アでは地下1000メートル以上の深さにある鉱脈から採掘する。一方、ジンバブエの場合、深さ100メートルでの作業になる。場所によって差はあるものの、ジンバブエは南アに比べると生産コストが低い。

 2月には貴金属会社や自動車メーカー、商社など需要企業の幹部らが経済産業省による官民使節団としてジンバブエを訪れている。

 一方、パラジウムと同じ鉱石から採取され、触媒向けの需要もあるプラチナ(白金)は、軟調に推移する。ニューヨーク先物が2日の時間外取引で1トロイオンス1185ドル程度で推移し、直近高値の1月下旬と比べると8%安い。

 パラジウムがガソリン車向けなのに対し、プラチナは欧州で多く走るディーゼル車の排ガス触媒が主用途だ。欧州経済の先行き不透明感を背景に、パラジウムとは対称的な値動きをしている。 

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