日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

原油安 恩恵銘柄に買い 電炉などに採算改善期待 化学は選別色鮮明に

2014年12月18日 | 株式全般
〔14.12.18.日経新聞:マーケット総合2面〕

 

 東京市場では、原油安によって収益面での恩恵を受けやすい銘柄への資金流入が目立ってきた。17日は日経平均株価が反発し、原油安で業績改善が見込まれそうな電力株や化学株の一角などが上昇した。電力料金引き下げの思惑から電炉株も堅調だった。もっとも、新興国経済への影響を懸念し、銘柄選別の動きも出ている。

 17日は東京製鉄が一時前日比6%値上がりし、年初来高値を更新した。共英製鋼など他の電炉株も上げた。「原油価格下落で、将来的に電力料金が下がるとの思惑がある」(ながら・アセット・マネジメントの露久保裕道代表)ためだ。

 電炉各社は、電気炉で鉄くずを溶かして鉄を再生する。電力消費量が大きいため、電力価格が下がるとコストが減少して業績改善につながるとの読みが働いている。

 関西電力が一時4%高を付けるなど電力株もほぼ軒並み高だった。原発再稼働の行方が最大の材料だが、足元の原油安が定着すればコスト改善につながるからだ。

 もっとも、原油安の恩恵を受けそうな業種がひとくくりに買われているわけではない。業種内で明暗が分かれたのが化学だ。石油輸出国機構(OPEC)が減産見送りを決めた11月27日と比べると、塗料大手の日本ペイントホールディングスは10%以上株価水準を切り上げた。樹脂などの原材料の仕入れ価格が下がるメリットがあることが好感された。

 半面、原油を使って基礎商品を作る総合化学の株価はさえない。昭和電工は12日、原油安で石油化学製品の採算が悪化するため、2014年12月期の連結業績見通しを下方修正し、株価もその後一段安になった。

 楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジストは「基礎商品の比率が高い銘柄は製品そのものの価格も連動して下げやすいため、原油安の恩恵を受けにくい」と説明する。

 海運株は原油急落によるプラス材料とマイナス要因が綱引きし、方向感のない値動きになっている。原油安はコスト削減につながるが、「新興国を景気減速に追い込む懸念を株式市場が気にしている」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部長)という。

 国際商品市況に連動しやすい銘柄は地合いが変わりやすいとの指摘もある。「電炉や化学などは株高の持続性を吟味する必要がある」(三菱UFJ投信の内田浩二チーフファンドマネジャー)との見方もあった。


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