日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

中国、輸出制限枠を撤廃 レアアース関税が焦点に 国内勢、調達多様化探る

2015年03月12日 | 素材:貴金属&レア
〔15.3.12.日経新聞:マーケット商品面〕
 
レアアース磁石はHV向けなどで需要が増えている

 レアアース(希土類)の最大の生産国、中国が1月に輸出制限枠を撤廃した。輸出枠はここ数年、年間輸出量が枠の上限を下回る水準で推移していたため、輸出量や価格に大きな変化は出ていない。市場では、枠とともに設定されてきた輸出税の行方が焦点とみられている。

 輸出枠撤廃は日米欧が中国の措置は協定違反だと世界貿易機関(WTO)に提訴し、中国側が敗訴したのを受けた。

 レアアースのうちハイブリッド車(HV)のモーターなどの磁石向けに使うネオジムの価格はこの2年ほどほぼ横ばいだ。現在の価格は1キロ90~100ドル。沖縄県の尖閣諸島を巡り日中関係が悪化した際に高騰した2011年に比べると、5分の1の水準だ。輸出枠は14年に約3万トンだった。これが撤廃されても「需要家の購入量はほぼ同じ程度」(レアメタル商社のサムウッド=東京・千代田)との見方が多い。

 むしろ市場関係者が注視しているのが、輸出枠とともに設定されていた輸出税の動向だ。現在、レアアースを輸出する際には15~25%の関税がかけられている。しかしこれもWTOの協定違反とされているため、今春にも撤廃されるとの観測が強まっている。

 輸出税がそのままなくなれば、国際価格はその分下がる計算だ。今後の値動きについては5月ごろとみられている輸出税の撤廃をにらみながら「徐々に下がってくるのではないか」(アドバンストマテリアルジャパン=東京・千代田=の中村繁夫社長)との観測が出ている。

 レアアース磁石の製造販売の拡大をにらみ、中国に進出する動きもある。日立金属は2月、中国で現地企業と合弁会社設立の協議に入ることで合意したと発表した。

 日立金属はこれまでレアアース磁石を日本と米国で製造してきた。中国に拠点を持つことは「将来の需要の増加に対応して原材料を調達するために重要」との意味合いがある。

 中国政府は輸出税に替えて「資源税」や「環境税」といった名目で税金を徴収するとの見方が多い。ただ、仮に新たな税金が中国国内で課せられても輸出税が撤廃されることで中国企業が購入するのと、日本企業の輸入価格の差はほぼなくなる見通しだ。

 モーター用磁石分野で高い技術力を持つ日本の企業にとっては価格競争力が高まる分、プラスに働く。今後の需要の伸びが見込まれるのは、日本よりも中国だ。今後はどこに製造拠点を設け、どのように調達するか。コストをにらみつつ、手法が多様化しそうだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。