日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

クボタ、アジアで畑作機を強化 中国の販売店2.5倍/トルコには組み立て拠点

2015年10月06日 | 15.機械
(日経10/6:企業面)
 クボタはアジアでトウモロコシやサトウキビなど畑作用の農機事業を強化する。中国では中部の畑作地域に置く販売店を2018年をめどに2.5倍の500店に拡大。トルコでは9月、組み立て拠点を新設した。クボタは稲作用農機を得意としてきたが、アジアで広がる畑作用の需要を本格的に掘り起こし、米ディアなど欧米農機大手を追い上げる。



 中国で販売店を増やすのは山東省、河北省、安徽省など畑作が盛んな地域。同社は現在は中国で主に沿海東部の稲作農家向けに約900店を展開している。うち約200店が中部地域にあるが、豚肉や牛肉の消費拡大を背景に同地域の畑作農家では飼料用トウモロコシなどの生産量を増やしている。機械導入で収率向上需要が高まるとみて、販路を拡大する。


 トラクターを組み立てる江蘇省の工場では16年の生産台数を15年計画より4割増の年5千台に引き上げる。これまで水田向けの小型軽量機が中心だったが、大規模農場向けにエンジンの出力が100馬力級の中型機を増やす。

 一方、トルコの工場は9月にイスタンブール近郊で稼働した。建屋を賃借して投資額を数億円に抑えた。当面は日本やタイ子会社から果樹園用のトラクターを輸入して、現地でタイヤやカバーを取り付けて販売する。14年に600台強だった同国での農機販売台数を数年後に5千台程度に増やし、10%のシェアを狙う。

 16年春に研究開発拠点を開設予定のタイ子会社では、サトウキビ用コンバインや、タピオカの原料となるキャッサバの収穫機を17年までに発売する。すでに開発に着手した。各地の土壌に合うようにトラクターでけん引するスキやクワなどを改良してタイ国内のみならず、インドネシアやフィリピンなど周辺国向けにも投入する。

 クボタの農機事業の売り上げ規模は年間約1兆円。同社は稲作用の農機が強く、稲作が盛んなアジアと日本ではそれぞれ同2000億円程度のもよう。畑作の大市場である米国でも年4千億円の規模があるが、庭用のトラクターや芝刈り機など小型機が中心だ。

 世界の農機市場では米ディアが3兆円規模で圧倒的に強く、オランダのCNHインダストリアルなどが続く。クボタは世界4位のシェアだが、世界の農業の耕作面積で稲作の7~8倍とされる畑作向けの農機事業を強化。欧米上位勢を追い上げる。

 環太平洋経済連携協定(TPP)が発効すれば、世界の農業の競争環境は大きく変わる。アジアでは機械導入による近代化で国際競争力の底上げをめざす動きが広がる可能性があり、クボタは得意の中小型機を中心に市場開拓を急ぐ。


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