7968 ＴＡＳＡＫＩ 一時19％高に 販売堅調、復配にも期待

〔14.12.16.日経新聞：マーケット総合２面〕



　真珠のＴＡＳＡＫＩの株価が急伸している。15日終値は1667円と前週末比10％強上昇、東証１部全体の値上がり率で首位だった。一時1798円と19％高まであり、６年３カ月ぶりの高値（株式併合を考慮後）を更新した。消費増税後も販売が堅調で今期も増益が見込める内需株代表として買いを集めた。

　前週末12日の大引け後、2015年10月期の連結純利益が前期比26％増の14億円になる見込みと発表した。真珠を使ったネックレスなどが好調で、空港ビル内の店舗では訪日外国人向け販売が大きく伸びている。「投資家の間でインバウンド需要関連銘柄として注目されている」（いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員）という。

　07年10月期以来の復配への期待も高まっている。同社はリーマン危機後の08年末にファンドの出資を受け入れて経営再建中。人員削減や真珠養殖所の整理を済ませた上、新デザイナーを採用して始めたシリーズが好評で配当余地が生じている。12日に「さらなる分配可能額の確保のため」資本準備金を取り崩すと発表、１月末の株主総会で決議する予定だ。

　もっとも予想ＰＥＲ（株価収益率）は21倍、ＰＢＲ（株価純資産倍率）は2.3倍と東証１部の平均（17倍、1.4倍）に比べ割高感もある。足元はスピード調整もありそうだ。