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旅日記025 日本の秘境? 桶ヶ谷沼の野鳥

2016-02-28 23:50:06 | 旅日記
こんにちわ、「くまドン」です。

 2月にも静岡県へ旅行してきましたので、今回は静岡県・盤田市(いわたし)にある桶ヶ谷沼(おけがやぬま)の話です。
 この日は、午前中は曇りでしたので、風景写真には向かないな~と思いつつ、国道1号を移動していると、何故かこの付近だけ晴れ間が見えてきました。地図を見ると、近くに桶ヶ谷沼という沼がありました。よく知らないかったのですが、寄ってみる事にしました。
 行ってみると、沼の入口に下の写真のような立派な「桶ヶ谷沼ビジターセンター(平成16年開館)」がありました。

 中に入ってみると、色々な展示があり、この付近は、トンボや野鳥などで有名な場所あることが分かりました。
 さらに、「知らぬが仏」というか・・・・家に帰って調べてみると、この桶ヶ谷沼は「日本の秘境100選」の一つでした!
 国道1号バイパスの近くにあるは、工場も近くにあるはで、全くそんな事は考えていませんでしたから、
 「この沼は秘境だったのか?・・・・・(汗)」という状態です。

【日本の秘境100選 (平成元年)】
 JTBが雑誌「旅」が創刊750号目の記念に開いたシンポジウムで、「いま 日本の秘境100選」として選定されたものです。選定者は、岡田喜秋、C・W・ニコル、立松和平、辺見じゅん、椎名誠の5人だそうです。

 そんな事はつゆ知らず、東京付近では、あまり見れないヨシガモやトモエガモも見れるかもしれないということで、天気も回復してきたので、軽い気持ちでサンダルのままで、少し散策してみることにしました。
 散策路の池の入口付近から沼を見ると、棒杭の上にアオサギ(留鳥)1羽とコガモ(冬鳥)の群れが羽を休めていました。コガモの方は全羽・お休み中です。沼の中心の方には、鳥の姿は見えません。


(1)さて、桶ヶ谷沼は流入する河川が全く無いのですが、湧水が豊富で、水が枯渇してしまう事は無いそうです。水源は、すぐ東を流れる太田川(おおたがわ)からの湧水と考えられます。沼の北東側にある鶴ヶ池も同様の環境です。
 この為、昔の桶ヶ谷沼の周囲は水田が広がり、沼自体も農業用の水源として使われてきました。のんびりとした時代の頃の話です。

 木道の散策路から、通常の山道になりましたが、サンダルでも歩けるので、さらに行くと、観察小屋がありました。


 現在でも「トンボの楽園」として有名であり、絶滅が危惧されているベッコウトンボ(鼈甲蜻蛉)が生息している貴重な環境です。(この為、野生動植物保護地区の特別区域もあり、沼の生物の採取は禁止です!
 桶ヶ谷沼の水面はヨシやマコモが多く、水面の見える所は少ないですが、これが、多くの生物が住める環境を作りだしています。

 観察小屋は高い所にあるので、見晴らしは良いのですが、沼の真中付近にカモの姿はいないなと思っていると、右側からカモらしき鳥が泳いできます。


(2)高度成長期(1950年代~60年代)になると、工業が盛んになり、工業用地の必要性から沼の近くまで開発が進んできました。
 産業の発達と裏腹に大気汚染・工場排水などの公害問題が悪化して、大きな社会問題となっていった時代です。
 この時代は、まだまだ政府は産業・経済の発達を優先していた時代で、政治・産業側と被害者・市民団体側で、大きな争いが発生していた時代です。

 沼の右側から、マガモ(冬鳥)が池の横断するように泳いでいてきました。


(3)1970年(昭和45年)頃になると、自然保護の運動も高まりを見せます。
 ちょうど、この頃、産業用地の造成の為、桶ヶ谷沼の埋め立てが計画されてしまう所まで開発進んでいきました。
 ここで、桶ヶ谷沼とその周囲の自然を保護しようとする者や自然保護団体が反発。
 開発推進側と自然保護側で「開発を進めて経済活動に貢献させるか、沼を保護し貴重な自然を存続させるか」の話し合いが長期にわたって何度も行われたが、両者の意見がまとまることは無く、話は並行線をたどります。
 この当時の政治側は、環境保護よりも産業優先で、環境保護に対する理解が薄かったので、1970年代頃が、自然保護の市民団体の活動が激しかった(困難だった)時代ともいえます。
 現在の環境省の前身である環境庁ができたのも、1971年(昭和46年)です。

 沼の対岸を見ると、結構な数のカモがいます。ほとんどマガモのようです。


(4)時代が進むにつれて、自然保護の考えが世間一般に広がっていくことにより、沼を保護する市民運動が活発化し、政治(国・地方自治体)や産業界も、住民の意向を反映して、自然保護を考慮する必要に生じてきます。
 結果として、桶ヶ谷沼とその周辺区域の自然を保護する方針にほぼ固まることになります。
 1985年(昭和60年)に、環境庁が盤田市をアメニティタウンモデル地区として指定します。

【アメニティ・タウンとは】
 アメニティ(英語:amenity)は、快適性、快適な環境、魅力ある環境などを意味します。
 自然や施設,歴史等環境を構成する要素が,互いに他を活かし合うようなバランスのとれた状態で存在し,人間との間に真の調和が保たれていることで,地域の住民が健康で文化的な生活を営むための快適な環境が備えられている街を言うそうです。
 この当時は、よく出てきた言葉ですが、アメニティという言葉自体、20年経っても、よくわかりませんです・・・・・

 良く見ると、沼の真中にはカモはおらず、周辺の枯れ草の近くに一杯いるのです。
 たまたま、近くを他の人が通過したのか、池の端から真中にカモの群れが一斉に移動を始めました。


(5)平成の時代になる頃には、自然保護の考えが強くなりましたから、行政側も対応の必要性に迫られます。
 1989年(平成2年)から、静岡県が桶ヶ谷沼とその周辺区域の自然を保護すべく、沼周辺の土地を買収し始め、大部分の土地が県有地となりました。
 1991年(平成4年)には沼とその周辺区域を県の自然環境保全地域に指定されます。
 さらに絶滅が危惧されているベッコウトンボへ人為的干渉を及ぼさないために一部の区域が野生動植物保護地区の特別区域に指定されることになります。

 「あれ!こんなにいたのか?」と思うくらい、枯れ草の陰からカモが泳いで出てきます。


 こうして、トンボの宝庫として、安全になったかと思われた桶ヶ谷沼ですが、ここで、新たな問題が発生します。
 1994年(平成7年)には900匹近くまで増えた桶ヶ谷沼のベッコウトンボ(絶滅危惧種)が、翌1995年以降は100匹前後に激減します。
 原因の第一は、ヤゴ(トンボの幼虫)の天敵でもあるアメリカザリガニが大量発生したことが原因でした。アメリカザリガニは繁殖力が強く、食欲旺盛の上、水生昆虫や水草までも大量に捕食するので、各地の生態系を破壊する元凶になっています。
 その他にものタマジャクシ(ウシガエルオ・外来種)やミシシッピーアカミミガメ、ブラックバスを始めとする外来魚が生息するようになったことが、ヤゴなどの水生昆虫が減少する要因となっています。
 トンボの数を復活させようとしている人達のブログを見ると、大変な労力が必要とわかります。
 前回のブログの井の頭池でも同様な問題がありましたが、壊れた生態系を戻すのは大変な手間がかかります。
 ペットとして飼育していた動物を勝手に放流するような行為が、一番問題のある行為だとおもいますので、
 無責任な放流や捨てるような行為は止めて、最後まで責任を持って欲しいです。


 撮影したのを拡大してみましたが、確認する限りでは、マガモだけのようです。

 軽い気持ちで散策路に入ったので、サンダルのままでしたから、この先の散策路は水たまりもあるので、引き返すことにしました。残念ながら、トモエガモやヨシガモには出会えませんでした。

 初めての場所ですので、何も知らずに沼の行きの散策路でモズ(百舌鳥、留鳥)を見かけましたが、結局、撮影できずあきらめました。
 (「くまドン」は、野鳥はほとんど素人(しろうと)なので、木にいる野鳥は飛ぶまで、そこにいる事自体、気がつきません。)
 戻りの帰り道で同じ場所に行くと、またモズがいました。やっぱり、近くに行くまで気がつかず、30m離れた木に降りましたので、なんとか撮影できました。
 ところが、頭のすぐ上(数mぐらい)で鳴き声がします。上を見たら下の写真のモズがいました。


 ここで、「くまドン」は、ふと変なことに気がつきました?
 「モズは縄張りを作るのにはずなのに、なぜ、同じ場所にモズが2羽いるのか?」
 最初に撮影した1匹目のモズ(写真の左下)と2匹目のモズ(写真の右下)を見比べてみると、微妙に違います。

 左のモズの方が、右のモズより、目の後方にある黒線が薄く、短く感じます。そうすると、右がオス(♂)で、左がメス(♀)でしょうか?(オスのようにも見えるし、距離が遠かったのと、露出がオーバー気味の為、判定しにくいです。)
 モズの繁殖期は2月~8月なので、つがい(ペア)の可能性はあります。江戸川区の葛西臨海公園でもモズを見かけましたが、なぜか、モズは人が通る場所に縄張りの中心にしているような気がします?・・・・・・不思議です???

 帰り道で、カイツブリ(留鳥)も見かけました。


 この付近は、猛禽類のモズが近くにいるのに、結構、小鳥類を多く見かけます。
 次は、カワセミ(翡翠、留鳥)も飛んできて、わずか20m程近くで撮影できて、ラッキー(幸運)でした。

 その他にも、メジロや小鳥類が飛んできて、結構色々な種類を見る事ができました。

 帰り際の最後に飛んできたのは、下の写真の鳥です。
 すぐ上の木の高い所に降りて、やけによく鳴く鳥なので、超望遠ズーム最大で撮影して見た所・・・・・

 これは、どう見ても、ツグミ(冬鳥)のようです。ツグミは、冬になると鳴かなくなって、口をつぐむ為、「ツグミ」と言う名前になったという説があります。それでも、「くまドン」は過去に2回程、冬にツグミの鳴き声を聞いたことがありますが、鳴いても、1回か2回程度で、こんなに連続的に長い時間鳴いているツグミを見た事はありませんでした!
 (今年は暖かいので、季節を間違えているのではないか?と思わず考えてしまいました・・・・・)

 春が近付くと、桶ヶ谷沼は菜の花で黄色の花畑になるそうです。

 今回の桶ヶ谷沼の話に限らず、経済成長の歪み(ひずみ)から発生した公害や開発による自然破壊に対して、昭和から平成の現在に至るまでの時代に、環境保護・自然保護の考えは一部の市民団体から一般の人達へ広がり、最後は政治すらをも巻き込んんで、大きな潮流(ちょうりゅう)となって行きました。

 こうして発展してきた日本の環境保護・自然保護ですが、現在(平成28年)において、大きな問題に突き当たっていると思います。あまり、「旅日記」カテゴリでは厳しい話をしたくないので、この話は、次回から話をさせていただきます。

 今回は、これで終わりとさせていただきます。

 そろそろ花粉症の季節になりましたので、外出せずに自宅にいる時間が長くなりそうです。
 葛西臨海公園は、海側の菜の花畑はかなり満開の状態です。次回は、葛西臨海公園の話の予定です。

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