過去問から。
質権の即時取得の場合の質権者と所有者
問題
Aは所有者Bから預かった宝石をCに質入れした。
それをCはAに返還し、AはBに引き渡した。
CはAに質権を主張可?
Aに返還しても、占有は成立要件かつ対抗要件(344条、352条)であり、存続要件ではない
↓よって
Aは第三者にあたらずAに主張可。
↓で
Cが質権を即時取得(192条)する場合、AがBに引き渡したとして、Bが第三者に当たらなければ質権対抗可。
↓では
Bは第三者にあたるか?352条の「第三者」の範囲が明らかでなく問題
↓
思うに、352条の「第三者」は、質権者からの対抗を受けない、質権の欠缺を主張する正当な理由を有する者と解する。
↓とすると
Bは質物の所有者であり、質権を即時取得した質権者Cからすれば物上保証人類似になる
∵本来有効にCが質権を取得していれば、所有者Bは自己物をAのためにCに質入れしたことになり、物上保証人といえるから
↓よって
Bは質権の欠缺を主張する正当な理由を有する第三者にあたらず、Cは対抗可
質権の即時取得の場合の質権者と所有者
問題
Aは所有者Bから預かった宝石をCに質入れした。
それをCはAに返還し、AはBに引き渡した。
CはAに質権を主張可?
Aに返還しても、占有は成立要件かつ対抗要件(344条、352条)であり、存続要件ではない
↓よって
Aは第三者にあたらずAに主張可。
↓で
Cが質権を即時取得(192条)する場合、AがBに引き渡したとして、Bが第三者に当たらなければ質権対抗可。
↓では
Bは第三者にあたるか?352条の「第三者」の範囲が明らかでなく問題
↓
思うに、352条の「第三者」は、質権者からの対抗を受けない、質権の欠缺を主張する正当な理由を有する者と解する。
↓とすると
Bは質物の所有者であり、質権を即時取得した質権者Cからすれば物上保証人類似になる
∵本来有効にCが質権を取得していれば、所有者Bは自己物をAのためにCに質入れしたことになり、物上保証人といえるから
↓よって
Bは質権の欠缺を主張する正当な理由を有する第三者にあたらず、Cは対抗可
352条が対抗要件だから、177条(や178条)とおなじように考えるんですね。
なっとくです。
ブログ拝見しました。
論文本試験を受けられたようで、凄いですね。合格されていると良いですね。
来年は私も受けられるように必死で頑張ります!!
暑い日が続くと通勤で気力が奪われてしまいますが、負けじと勉強&ブログを頑張って続けますので、また拝見してください
「占有」は「対抗要件」であり、「対抗要件」は、物的支配を相争う関係者間で、その優劣を決する概念である。
そうすると、B・C間は、正に物的支配を争う関係ではないのか。
又、所有と占有が同一人に帰しても尚、負けてしまうのか。
というような点を本問で示すことも重要ではないかと思います。
但し、一度はCの質権の即時取得により、Bはその負担に応じざるを得なかったという点を考慮すると、やはり、Bの保護が劣ることも仕方ないともいえる。
その場合は、kuma patさんの法律構成で行くべきと思います。
いずれにしろ、本問は良問であり、尚且つ難問でもあると思います。
というのは、
即時取得は原始取得だが、その場合所有権はどうなるのか。「占有」とは何なのか。「対抗関係」とは何なのか。352条の「第三者」と、178条のそれは、同じなのか。
また、「留置権」と「質権」では同じ「留置的効力」を有する担保であるに拘わらず、一方が占有を失うと消滅するのに対し、他方はどうなのか。
というように、民法上の重要基本概念を聞き、似ているものを比較させるという点でも、日頃の勉強の姿勢を教えてくれる、さすが本試験と思わせる実にいい問題だと思います。
御意。
色々な基本的法律を鋭く聞かれるのが本試験の特徴だと思います。
帰責性なくても真の権利者は所有権を奪われるのかとか、取引の信頼の保護とかも同じですね。
問題を解いていると毎回新たな発見に出会います。この発見が無くなっていけば身に付いたといえるのだと思います。
早くその域に達したいと思います。
別話題で、
最近議論を重ねているのが、債権じゃないけど物権ともいえないという情報、すなわちデータや電磁的記録の概念です。
フォレンジックという言葉も流行っています。
電磁的記録は一物じゃないんですよね。
データの完全なコピーが可能ですし、範囲を画することもできません。
物理的なハードディスクに置き換えてもハードディスクを丸々1ビットも狂わずに完全コピーすることも可能です。
まあ、これについては別問題ですけど。