ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

質権の即時取得

2006年08月11日 01時09分51秒 | 民法
過去問から。

質権の即時取得の場合の質権者と所有者
問題
Aは所有者Bから預かった宝石をCに質入れした。
それをCはAに返還し、AはBに引き渡した。

CはAに質権を主張可?


Aに返還しても、占有は成立要件かつ対抗要件(344条、352条)であり、存続要件ではない
↓よって
Aは第三者にあたらずAに主張可。
↓で
Cが質権を即時取得(192条)する場合、AがBに引き渡したとして、Bが第三者に当たらなければ質権対抗可。
↓では
Bは第三者にあたるか?352条の「第三者」の範囲が明らかでなく問題

思うに、352条の「第三者」は、質権者からの対抗を受けない、質権の欠缺を主張する正当な理由を有する者と解する。
↓とすると
Bは質物の所有者であり、質権を即時取得した質権者Cからすれば物上保証人類似になる
∵本来有効にCが質権を取得していれば、所有者Bは自己物をAのためにCに質入れしたことになり、物上保証人といえるから
↓よって
Bは質権の欠缺を主張する正当な理由を有する第三者にあたらず、Cは対抗可

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4 コメント

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民法スタ100 わたしも持ってます (mini_story)
2006-08-12 18:56:03
はじめまして!

352条が対抗要件だから、177条(や178条)とおなじように考えるんですね。

なっとくです。
こんばんは (kuma_pat)
2006-08-13 00:25:42
こんばんは。



ブログ拝見しました。

論文本試験を受けられたようで、凄いですね。合格されていると良いですね。



来年は私も受けられるように必死で頑張ります!!



暑い日が続くと通勤で気力が奪われてしまいますが、負けじと勉強&ブログを頑張って続けますので、また拝見してください
H2-2 (edomonto)
2006-08-17 10:55:27
 本問の小問(三)は、Cの保護かBの保護かの利益考慮と、その法律構成如何が問われているものと思います。

「占有」は「対抗要件」であり、「対抗要件」は、物的支配を相争う関係者間で、その優劣を決する概念である。

そうすると、B・C間は、正に物的支配を争う関係ではないのか。

 又、所有と占有が同一人に帰しても尚、負けてしまうのか。

 というような点を本問で示すことも重要ではないかと思います。

 但し、一度はCの質権の即時取得により、Bはその負担に応じざるを得なかったという点を考慮すると、やはり、Bの保護が劣ることも仕方ないともいえる。

 その場合は、kuma patさんの法律構成で行くべきと思います。



いずれにしろ、本問は良問であり、尚且つ難問でもあると思います。

というのは、

即時取得は原始取得だが、その場合所有権はどうなるのか。「占有」とは何なのか。「対抗関係」とは何なのか。352条の「第三者」と、178条のそれは、同じなのか。

また、「留置権」と「質権」では同じ「留置的効力」を有する担保であるに拘わらず、一方が占有を失うと消滅するのに対し、他方はどうなのか。

 というように、民法上の重要基本概念を聞き、似ているものを比較させるという点でも、日頃の勉強の姿勢を教えてくれる、さすが本試験と思わせる実にいい問題だと思います。

基本 (kuma_pat)
2006-08-19 01:50:45
こんばんは。



御意。

色々な基本的法律を鋭く聞かれるのが本試験の特徴だと思います。



帰責性なくても真の権利者は所有権を奪われるのかとか、取引の信頼の保護とかも同じですね。





問題を解いていると毎回新たな発見に出会います。この発見が無くなっていけば身に付いたといえるのだと思います。

早くその域に達したいと思います。







別話題で、

最近議論を重ねているのが、債権じゃないけど物権ともいえないという情報、すなわちデータや電磁的記録の概念です。



フォレンジックという言葉も流行っています。



電磁的記録は一物じゃないんですよね。

データの完全なコピーが可能ですし、範囲を画することもできません。



物理的なハードディスクに置き換えてもハードディスクを丸々1ビットも狂わずに完全コピーすることも可能です。



まあ、これについては別問題ですけど。

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