ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

受戻なき手形支払い

2009年05月21日 22時41分35秒 | 商法
手形所持人が手形振出人に支払い請求をしたが、振出人は、手形を受け戻すことなく支払った。

それを奇貨として、手形所持人が裏書譲渡をした場合(期限後裏書ではない)、手形の被裏書人は、振出人に請求できるか?

受戻なき手形支払いの効力は、どうなるか。


手形は受戻証券性であるが、支払いの効力要件ではない。

よって、手形債務は支払いによって消滅する。

原則:手形債務が消滅している以上、支払い請求できない。


しかし、それでは、手形の被裏書人を保護できない。

そこで、権利外観理論によって保護するとする見解がある。

しかし、この場合の振出人の帰責性は非常に大きく、重過失ある者も保護すべきである。

そこで、支払いは当事者間のみの抗弁として17条によって手形の被裏書人は害意なき限り、人的抗弁の切断として保護されると解する。


よって、手形の被裏書人は、手形取得に重過失があっても害意がない限り、保護されることになる。


これは、消滅説に立ちながら、手形取得者の保護のため、17条の人的抗弁の切断を適用するという、変則的な川村説というらしいです。

私は、説の名前を知りませんが、この説に立っています。


そのため、たまに採点者に、消滅したのに人的抗弁はおかしいと指摘されます。

川村説は、この点についてどう説明しているかは私も知りません。

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