庭先の四季

庭先や近隣の四季の変化や歳時記、自然観察、動植物等を中心に
綴ります。

働きアリの2割はサボっているって本当?!

2018-07-22 09:53:58 | 日記・エッセイ・コラム

イソップ童話の「アリとキリギリス」でも知られているように、アリは働き者の代表のように
言われていますが・・

働きアリの2割はサボっているって本当?の結論から言えば本当です!

確かに今の時期、庭に出ると、アリたちがエサを探して一生懸命?地上を歩き回っており、
アリは働き者なんだと思ってしまいますが...

でも、ちょっと待ってください、ご存知のようにアリの巣は地下にあり、実は巣のコロニー
には地上でエサ探しの仕事をしているアリの、何十倍もの働きアリがいるそうです。

私たちは通常、地上にエサ探しの仕事に出てきているアリだけを見ているわけですから、
そりゃあ皆んな一生懸命働いているように思うわけです。。

しかし地下の巣の中にいる、その他たくさんのアリも、みんな働いているのでしょうか??

巣を丸ごと飼育して観察した研究によると、驚いたことにある瞬間、巣の中の7割ほどの
働きアリが「何もしていない」ことが実証されたそうです。

そこで、ある瞬間だけの観察ではずっと働いていないとは言えないので、個体を識別して
ある個体を継続的にずっと観察した結果...  ず~ッ と 働かないという不届き者!の働き
アリが存在することがわかったそうです。。

1ヶ月以上観察を続けても、大体2割くらいのアリは「何もしていない!」と見なせる、
研究結果だったそうです、案外アリは、働き者では無かったわけですね...(^_^;)

こういった働かないアリは、コロニーを維持するために必要な労働をほとんど行わず、自分
の体を舐めたり、目的も無く歩き回ったり、ただボーッ として動かないそうです。

”ボーッと生きてんじゃないよ!” と、チコちゃんに叱られそうですネ。(笑)

では、このようなアリたちは、自分がサボりたくて働かない「怠け者」なのでしょうか?

ムクゲの花にアリさんが蜜を集めに来ています。

 ルドベキアの花の蜜を集めに来た?アリさん。

この働いていない2割のアリは単なる怠け者で、穀潰し的な存在なのでしょうか?

コロニーがこなさなければならない仕事は、女王や幼虫、卵の世話、食料集め、巣の拡張や
補修、仲間の世話など、色々な事をやらなければならない上、仕事の一部はいつ何時、どの
くらいの量が 必要になるか?わかりません。

突発的に生じた仕事もこなせないと、コロニーにとって大きなダメージとなる場合もあります。

例えばエサ探しの場合など、セミの死骸など大きなエサが見つかった場合など、多数のアリ
でエサを回収しなければなりませんが、総ての個体が働いていて、手の空いた個体がいない
と、エサを回収するためのメンバーを集めることができません。

そのような場合に備えて、「そのとき」が来たらすぐに対応できる「余力と」として、一見無駄に
見える働かないアリにも、存在する意義があると言えます。 

では、よく働くアリと働かないアリの違いは何?と言うと、「仕事に対する腰の軽さ」の個体差だ
そうです。(この辺は私たち人間社会でも同じですね!)

幼虫がたくさんいて、みんなが腹を空かせている時は、たくさんのアリが働いて幼虫にエサを
やる必要がありますが、幼虫が満腹している時は、それほど多くのアリが働く必要はありません。

つまり、幼虫のだす「エサをくれ!」と言う刺激が強くなるに従って、あまり働かない「腰の重い」
アリたちも順次働き出して、幼虫にエサを与え始めるそうです。。

ずっと働かないアリは、何も好んで働かない怠け者ではなく、働きたいけど鈍すぎて?つまり、
腰が重すぎて仕事にありつけない?個体だと言えますが、コロニーのいざ鎌倉!の場合に備え
る意味で、存在する意義がある!と言えます。

遊びのないハンドルは危険で、のりしろの無い工作は壊れやすいように、アベ内閣の言う
「一億総活躍社会」などは・・自然を観察していれば、もともと不自然で無理な話だと想う。。 


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 恨み草?葛の花咲く | トップ | 大暑~天ぷらの日 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
働きアリの (takezii)
2018-07-22 10:17:54
生態観察、、なかなか面白いですね。目から鱗です。
「一見無駄に見える働かないアリにも存在する意義有る・・・」、
畑等で 鍬やスコップでグサッと掘った時 たまたま アリの巣に当たること有り 多分 アリにとっては 空前の大災害 巣壊滅、死傷多数、右往左往、そんな時の情景が目に浮かびました。
さて 人間社会、我々 働かない老人数多、存在の意義有りや無しや、
アリ社会に学び いざという時に・・・、でも もう気力体力に限界有りですが。
返信する
「遊び」の部分 (三毛子)
2018-07-22 15:31:42
こんにちは。

大変勉強になりました。
なるほどねえ。
人間同様、アリさんだって健康体とそうでないのが
いるはずですもんね。
得意不得意とか。

他の動物でも、オーストラリアのディンゴという動物だったと思いますが、
生まれた子供のうち、一番弱い子が親のそばに居て、
後に生まれた兄弟のお世話のお手伝いをすると
以前の動物番組で言っておりました。
生き残る知恵を持った野生動物たちに感心しました。

動物でさえ(と言っては失礼ですが、動物の方が、ですね)
そのように賢く生きる術を持っているというのに
昨今のニンゲンの悪知恵ばかり働かせるずる賢さは
許し難いですヽ(`Д´)ノプンプン

あ、そうそう、以前習った製本の仕方で
背表紙を作る時にも「遊び」の部分が必要、と習いました。
キツキツだといずれ崩壊してしまいますから(^_^;)
返信する
高齢化社会 (庭先の四季)
2018-07-22 16:05:58
takeziiさん、こんにちは。
人間社会、我々働かない老人数多、存在の意義有りや無しや?
と問われると、同じ立場の私も、思わずウ~ンと考え込んでしまいます。。
精々、邪魔物扱いされないように努力するしか無いような気が・・(笑)
返信する
リスク管理 (庭先の四季)
2018-07-22 16:21:18
三毛子さん、こんにちは。
働かないアリさんたちは、いざという時コロニーを維持する為の
リスク管理要員です、これは2:8の法則とも言われ人間の社会も一緒です。
一億総活躍社会などという、政府のスローガンに騙されてはイケマセン!(笑)
返信する

コメントを投稿

日記・エッセイ・コラム」カテゴリの最新記事