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鱗町界隈~ いい料理は人の心も豊かにする @ 『料理 小松』


 鱗町交差点から少し新堅に寄ったあたりに、この「料理小松」さんがあります。先月の中ごろに初めて伺いました、この店 かつて「あじ万」という定食屋さんでしたね。もちろん素敵に改装してますが。店の入口はシンプルそのもので「料理 小松」の灯りと暖簾、盛り塩があるのみです。店内は右手に8人掛けの直線カウンターのみです。僕等の2席のみが開けられていてあとは満席。といっても二人連れ×3組ということですが。

 厨房はカウンター奥の暖簾の向こうで、カウンター内は、着物姿の似合う女性と、新人らしい女性の二人で接客します。甘酒と牛乳の食前酒(ノンアルコール)と籠いりの先付けからスタート、最後のハマグリのお茶漬けまで、日本料理の粋(すい)が次々と供されます。どの料理も一つ一つの素材が生きて、出汁もいい塩梅。茄子嫌いの僕でさえ「茄子ってこんなにおいしいものだったんだ」と心底感心しました。茄子は言うまでもなく夏野菜ですが、少しだけ季節を「先取り」するのも、日本料理の粋(いき)ってもんですよね。

 入口の右手に、やや窮屈そうな小上がり席もありましたが、この店はカウンターの方が断然おすすめです。というのは、大将(その名もズバリ小松さん)は、基本的に暖簾奥の厨房で料理に専念しています。これには賛否両論あるかもしれませんが、寿司屋じゃねんだから、煮炊きする光景を客に見せる必要はない、そして言葉ではなく料理をして語らしめよ、客が料理を味わう空間は静謐さを保ってほしい、というのが僕の意見。

 なので、カウンター内は和服姿の女性が切り盛りしてるんですが、この着物姿の女性、きめ細やかな接客態度が、本当に気持ちいいです。それだけでも行く価値ありとさえ思います。

 あと、店内でスマホ取り出して写真撮る人が誰もいなかったのは、この店の雰囲気のなせる技ですね。この料理を前にすれば、自分自身の五感すべてで目の前に供される、料理人が全身全霊でつくった料理を味わい尽くすことに全力投球したくなります。いい料理はお腹だけでなく、人の心も豊かにするんだなと実感しました。

 お代は、料理×2、日本酒×5種類で 27,400円でした。納得の価格です。また行きたいです。
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