箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ51号 家庭教師ヒットマン REBORN! 標的218『到着』

2008-11-15 03:59:34 | 雑誌[J]
今週は、再びパラシュートを装着したスパナを牽引したツナが、
白い装置の真ん前に降り立ったところからスタートです。
超死ぬ気モードのツナは立ったまま、その右隣のスパナは座った状態で
装置を見上げます。ツナの左側にはホログラムのリボーンが陣取っています。

ツナ:『これが…』 『オレ達の目的…』
スパナ:『うん…正一の装置だ』

お揃いのツナギ姿の二人の会話が、なんとも友人ぽくてよいです。
しかしそんな彼らの背後から、不意に声が響きます。

『まさかあの幻騎士を倒すとは計算外だった』

暗がりの中から姿を現したのは、両脇にチェルベッロを従えた入江でした。

入江:『沢田綱吉』
ツナ:『入江…正一!!』

ひたとツナを見つめ静かに話しかける入江に対し、
ツナは焦った表情でXグローブに炎を灯し、臨戦態勢を取ります。
そこで初めて、チェルベッロの存在に気付くツナを他所に
入江はあくまで冷静に話しかけます。

入江:『まずは拳を下ろしてもらおう。話はそれからだ』
ツナ:『…話だと?』
入江:『聞こえなかったのか?ヘタに動けば彼らは死ぬぞ』

入江の合図で壁が動き、現れたのは横向きに設置された大きな円柱のような装置。
両端が蓋状になっていますが壁に当たる部分は透明で、中が見えるようになっています。
そこに居たのは、ツナ以外の仲間たちでした。

ナノコンポジットの壁で取り囲み、逃げられなくなった所を睡眠ガスで
眠らせているとのこと。入江は、ツナがへたに動けば、ガスを毒ガスに変更すると告げます。
その言葉を裏付けるかのように、リモコンのスイッチらしきものを取り出すチェルベッロを見て、
ツナの動きが止まります。
飴をくわえたままのスパナが『…正一?』と疑問形で言葉をかけているのは
どんな意味があるのでしょうか、気になります。

『くっ』と呻きはしたものの構えを解いたツナを見て、入江が発した
『…………よし いいだろう』という声に、チェルベッロがなにかを操作します。
すると、筒状の装置の中の睡眠ガスが薄れ、獄寺やヒバリ、クロームが
次々と目を覚まします。

獄寺の『何て悪夢だ…10代目の首を絞めるなんてよぉ……』という
台詞から察するに、ヘルリングに精神を食われた状態の幻騎士のあの忠告、
「幻覚と守護者たちの命は繋がっている」という言葉は本当だったようです。

覚醒したヒバリ・獄寺・草壁はすぐにツナの姿を見つけ、自分達が
捕まっているという状況を把握します。
ちなみに、山本・ランボ・了平はまだ眠ったままのようですね。
チェルベッロの存在にも気付きパニック気味な彼らに、入江は変わらず
落ち着いた様子で話しかけます。

入江:『お前達の命は我々がにぎっている』 『話をしたいんだ 大人しくしてくれないか?』
草壁:『!!』 『入江正一!!』

毎回フルネームで名前を呼ばれておりますね入江は。
獄寺が『やろう』と呟き戦闘態勢を取ろうと身に着けている武器にサッと手を伸ばしますが…
直ぐにはっとし動きが止まる獄寺。ヒバリも同じように動きが止まっていることから彼も気付いたようですね。

入江:『抵抗しようとしてもムダさ』 『お前達のリングと匣兵器は…』 『全て没収した』

微かに笑みすら浮かべながら、左手を差し出した入江の手のひらには
ボンゴレリングを含め、彼らが身につけていたリングが山のように載せられていました。
既にボンゴレリングが敵の手に渡っていることに、そして自分達が闘う手段を奪われたことに
驚愕するボンゴレサイド。ちょっと草壁の顔が残念なことになっています;

ここで、ようやく気が付いたらしいラルが必死な形相で叫びます。

『沢田…』 『かまわん!!』 『貴様の手で装置を破壊しろ!!』

はっとするツナに、獄寺が畳み掛けます。

獄寺:『そうです10代目!!丸い装置を!!』
   『そいつをぶっ壊せば過去に帰れるかもしれない!!』
クローム:『……ダメ…』

意外な人物から制止の言葉がかけられました。

獄寺:『てめー!』 『この状況で命がおしくなったのか!?』
クローム:『ちがう…でも…』

相変わらず獄寺は、自分の命よりもツナを優先しがちのようですね。
しかし、このやり取りを見る限り、それはクロームにも言えることでしょうか。
クロームが止めた理由を説明したのは入江でした。

入江:『全くお前達の無知ぶりにはあきれるばかりだ』
   『この装置を破壊すれば困るのはお前達だぞ』
ツナ:『何!?』

唐突にプシュッと音がし、白く丸い装置の中央が開いていきます。
徐々に覗く装置の中身。現れてきた装置に格納されていたものとは…

入江:『この装置に入っているのは』 『10年バズーカでお前達と入れ替わりで消えた…』
   『この時代のお前達だ』

浮かび上がる10体の人影。
京子・イーピン・ヒバリ・ランボ・山本・獄寺・ハル・クロームは
なんとか判別できます。残る二人がツナとリボーンでしょうか。
了平は入れ替わっていないので、ここには居ないのですね。
このタイミングで入れ替わってないとなると、了平はこのままの可能性の方が
高いのでしょうか。

予想だにしなかったその光景に驚きを隠せないボンゴレサイドメンバーとスパナ。
ツナ達が今見たものは照射された立体映像(ホログラム)のイメージであり、
実際には分解された分子の状態で保存されているそうです。

この時代の自分達は10年前に行ったはずだという言葉を耳にした入江の説明によると、
本来10年バズーカで撃たれた者は 10年後と現在の自分が入れ替わるが
この装置により、10年後の獄寺達を過去には行かせずに、ここにとどまらせているそうです。
いや、しかし…10年前に行ったキャラは今頃何をしているのだろうと思ってましたが
まさか分子レベルで同時代に留まっていたとは…え、元に戻ります…よね??

入江:『この時代のお前達が過去に戻って余計な事をされては』
   『7^3(トゥリニセッテ)ポリシーに乱れが生じるからな』

そして、明かされる事実。
10年バズーカの弾を当てて、リボーン始めツナ達をこの時代に送り込んだのは
やはり入江でした。

入江:『10年前の僕が この時代の匣兵器と科学技術を駆使してお前達に10年バズーカを当てたんだ』
   『たとえば アルコバレーノであるなら非7^3線(ノントゥリニセッテ)を照射し 身動きをとれなくしてだ』

リボーンの体が金縛りにあい、動かなかった理由がわかりました。
入江は10年前の自分と接点を持っていたのですね。

ツナ:『…でも』 『…どうして!?』
   『なんでそんなことしてまで』 『オレ達をこの時代につれてきたんだ!!』

超死ぬ気モードから戻ったツナの叫びに対し、チェルベッロの
『これ以上は…』という言葉を制し、入江が答えます。
彼らがツナ達をタイムトラベルさせた目的。それは

入江:『簡単な話だ…』
   『白蘭サンがこの世界を手中におさめ もう一つの世界を創るために』
   『ボンゴレリングが必要だからだ』

だそうです。わお。
かつて世界征服が目的とのたまった骸より、一歩か十歩上を行ってると判断してよいのかは
悩むところです。うん、簡単なようで簡単じゃないです。
幻騎士のあの言葉と併せると、白蘭は「新世界の神」となっちゃいます。それはちょっとイタイです;

あっけに取られているボンゴレサイドに対する入江の説明によると、
数多く存在する力を秘めたリングの中でも「マーレリング」「ボンゴレリング」「アルコバレーノのおしゃぶり」各7つ
計21個のリングを7^3(トゥリニセッテ)というのだそうです。
そして7^3の原石こそがこの世界を創造した礎なのだと。

ツナ:『そんな…話…』

いきなり降って湧いた天地創造話に、俄かには信じがたい表情を浮かべるツナですが、

入江:『信じる信じないは自由だが』
   『少なくとも7^3を守ることを使命とし 人柱として7^3と同化したアルコバレーノは』
   『この話を否定しないはずだな』
リボーン・ラル:『!』

はっとするリボーンとラルの表情から察するに、入江の言葉は真実のようです。
今まで散々出てきてはいたけれど謎だった「7^3」の意味が明かされましたが、
「7^3を守る」ということがどういうことなのかがまだ分かりません。
マテリアル・パズルでいう星の卵みたいなことなのかな??
山本がまだ寝ている現状でははっきりとは言えませんが、リボーンが彼に語った
アルコバレーノの秘密というのは、人柱云々なのでしょうか。
だとしても、士気に関わるからと口止めした理由にはならない気がしますが。

ツナ:『な?』『え?』『人柱って…何?』『リ…リボーン達関係してるの?』
入江:『話は以上だ。あとはまかせた』

よく分からないながらも、「人柱」と「アルコバレーノ」という単語に
ツナが思いっきり反応したようですが、入江は華麗にスルーします。
「話がしたい」と言った割には、ツナたちの疑問に答えただけですね。

チェルベッロ:『沢田綱吉 大空のボンゴレリングを渡しなさい』 『さもなくば守護者を毒殺します』

相変わらず毒がお好きなチェルベッロですが、
リボーンが待ったをかけます。

リボーン:『話はまだだ入江』 『お前の話には納得できねえ部分があるぞ』
チェルベッロ:『これは交渉ではない』 『命令だ』

お、チェルベッロは敵に対し容赦ない口調をするようになっていますね。
リング争奪戦のときは、XANXUSと敵とはいえ、同ファミリーであったが故
ツナ達に対しても一応丁寧口調だったのでしょうか。

チェルベッロが銃を構える背後、スと身をその場を後にしようとする入江。
更にチェルベッロは続けます。

チェルベッロ:『3秒以内に従わなければ』 『全滅はまぬがれない』
ツナ:『ちょっ』 『待ってよ!』 『君達チェルベッロでしょ!?』

ツナの後ろで『ひいい…』と目を見開いてるスパナと、チェルベッロに対し
ヤメテ姿勢を取っているツナのポーズが被っていて可愛いです。
しかし、そうしている間にも、チェルベッロのカウントダウンは進みます。

チェルベッロ:『3』
獄寺:『くそ女が!!』 『10代目!!』 『オレ達にかまわずそいつらをやってください!!』
ツナ:『で…でも』 『そんなことできるわけ…』
チェルベッロ:『2』
ツナ:『ひっ』

ツナにとって「そんなこと」というのはきっと、ボンゴレリングを守るために獄寺たちを切ること、
そして、銃を向けられているとはいえ、チェルベッロに手を上げることなのでしょう。
手袋を外しにかかるツナに、ラルが叫びます。

ラル:『やれ 沢田!!どーせ そいつらは大空のリングを奪った後』
   『オレ達を全滅させる気だぞ!!』

「どーせ」という口調が可愛いです。
しかし、既にツナの右手ではボンゴレリングがその姿を現しています。
ラルに対し、『でも・・・』と言いよどむツナ。
そして更に刻まれるカウント。

チェルベッロ:『1』

次の瞬間、ズガガンと鳴り響く銃声音。

0を待たずに鳴り響いたそれに思わず動きが止まり、固まるツナと獄寺達。
発射された弾が襲ったのは、

チェルベッロ:『入…江…さ…ま…?』

一人は呟きを残し、もう一人は無言のままドサッと倒れこむチェルベッロ。
彼女達の背後に立っていたのは、なんと入江でした。

入江:『悪く思わないでくれ』 『少し眠ってもらうだけだ…』

状況が飲み込めず唖然とするツナ達の目の前で、入江が取った行動は意外なものでした。

入江:『はあ~…暑い』 『もうクタクタだ………』
   『一時は どうなるかと思ったよ…』

言いながら、隊服の襟を緩め、髪をゴシゴシと掻き乱し、
挙句の果てに制服の上着のジッパーを下ろしだしました。

入江:『沢田綱吉君と』 『仲間(ファミリー)のみなさん』

あっけに取られたままのツナ達に、今までと全然異なる口調で話しかける入江ですが、

入江:『あ…キンチョーがとけて』 『…ひざが笑ってる…』
   『ふぅ~』

なんと足がガクガク言い出し、その場にぺたんと座り込んでしまいました。
ズボンのみ制服で上は半そでのTシャツ姿の彼が、顔を上げて発した言葉は…

入江:『よくここまで来たね』 『君達を待ってたんだ……』
   『僕は君達の味方だよ』

衝撃の告白で以下次号!

って、ええええええええええ!!!!?
前回、「次回はどんな展開になるのだろう」と書きましたが、展開凄過ぎてどうしようかと思いました。

今まで散々「どうして普通の中学生だった子が、こんなになってしまったのだろうか」と
思ってましたが、今までのが全部演技だったってことでしょうか!!?
時折見せた黒さは、白蘭に向けられていたものってことかな?
「ボンゴレを殺せ」とかいう今までの過激発言は、「ツナ達ならきっと乗り越えられる!」という
傍迷惑な信頼というか愛のムチだったと?
確かにラストの入江は、本来の彼らしい姿ではありますが…それにしても、ええええええええ。

こうなってくると、今話冒頭の入江の「計算外」という台詞もどこまで真意か図りかねます
標的216での「ただの子供」発言も、なにか意図があってのことだったのでしょうか。
実質的にスパナに裏切られ、行動的にはγやアイリス、幻騎士に裏切られと、
散々部下に裏切られてる感の強かった入江が、白蘭を裏切っていたというのは
かなり複雑です。変に穿たず、そのまま受け止めてよいのか?

ただ、ツナ以外のボンゴレファミリーの面々の怪我の描写を見るに、
いつぞやのツナのように傷を描き忘れたのか、それともなんらかの治療がなされたのかと
勘繰りたくなります。確か入江の属性は晴でしたから、活性の力を使ったのかな?
クロームの内臓に関しては、ボンゴレリングがないと厳しいようでしたので、
これは骸登場フラグかなと密かに期待しています。

白蘭が最も信頼している部下である入江。
その彼の裏切りを、白蘭は察知しているのでしょうか。
レオ君のことも、自分を信頼させるための壮大な仕掛けだったのかな?それは考えすぎかな??

仮に、入江がボンゴレの味方だとすると、
ツナが射殺されたのがこの日本支部である(らしい)こと、10年後は幻覚のリアリティが高いこと、
10年バズーカで入れ替わったとされる10年後の姿が例の装置に格納されていたことから、
10年後ツナの生存に望みが出てきますね。
行方不明者も、どこかに匿われているかもしれません。

いまだにボヴィーノの詰め合わせを持ってることですし、入江がボヴィーノファミリーとも
関係があったら面白いなと思ってますが、流石にないでしょうね。

10年後ヒバリの「スケジュール」という発言からして、彼も入江と接点があったのかもしれません。
もしかしたら、10年後のツナも…ですね。
10年後獄寺は「過去に戻ったら~」とか「入江さえ居なければ白蘭も」という
発言をしていますから、彼は知らなかったのかな。
でも、どうして9年10ヶ月なのでしょう。現時点ではそれはまだ謎のままです。

アイリスやジンジャーは入江についていくのか、それとも白蘭への忠誠を貫き入江に牙をむくのか。
入江にこの10年で何があったのか。そして今更ながら、黒川花の写真の相手は誰なのか(笑)。
今回のこの怒涛の展開に、ちょっと頭が回らない状況ではありますが。

なにはともあれ、次回も楽しみです!

# 標的216については、16日までには追記したいと思います。
# → 「2008.11.07」分として追記しました。