夢のおじさん(2)

2018-03-21 09:52:05 | 童話
『僕は人間と同じだけれど、人間の君は犬と同じ事ができないよね。速く走ったり、匂いでたくさん区別をする事ができないでしょ。僕達犬は人間や他の動物やお花のたくさんの匂いを覚えているんだよ。』
『すごいね。』
『さあ、ごはんが炊きあがったからオニギリを作ろうよ。』
『ああ、いいよ。あっちちっ、ポチは熱くないの?』
『熱くないよ。僕達犬は毎日前足と後ろ足の四本で歩いているから、足の裏が丈夫になっているんだよ。』
『僕も四本足で歩いてみようかな?』
『痛くて歩けないよ。』
『本当だね、手が痛くて歩けないよ。』
『さあ、二人でオニギリを作ろう。』
『僕とポチと二個づつで四個作ったから公園へ行こうか。』
『いいよ。』
『公園まで遠いのなら自転車で行きたいなあ。』
『いいよ、自転車が二台有るから、これに乗って行こうか。』
『あっ、これは僕がいつも乗っている自転車だ。』
『そうだよ、ここは夢の中だから、何でも有るんだよ。僕はもう一台の自転車に乗るから、出発するよ。』
『ポチは自転車に乗れるの?』
『夢の中だから乗れるよ。』
『ふぅ~ん、すごいね。』

僕とポチは山や川を越えてやっと公園に着きました。
『遠かったけれど、速いスピードだったので、すぐ着いたね。』
『わあ、ブランコがいっぱいあるね、いつも行っている公園のブランコは二台だけだよ。数えてみようか。すごいね、十八台もあるよ。』
『ここは夢の中だからね。』
『ポチはブランコを立ち乗りしているけれど危ないよ。』
『うん、分かった。』
『楽しいね。』
『遠くに大きなブランコが見えるけれど、観覧車みたいに大きいね。』
『乗ってみようよ。』
『すごいね。一番高くなった時に遠くの山が良く見えるよ』
『もうすぐ起きないといけないから夢の中から帰るよ。』
『もう夢から帰らないといけないの?』
『そうだよ、今日は学校が休みではないからね。』
『明日も僕と遊ぶ夢を選んでくれたらまた一緒に遊べるよ。』
『うん、分かったよ。バイバイ。』